もうあの頃は帰ってこない

http://blog.livedoor.jp/kensuu/archives/50895208.html

中に養老孟司さんという人へのインタビューが載ってておもしろかったので一部紹介です。(太字は筆者)

紙に印刷されて発表される文章と、ネットにのる文章は、どうしたって違ってくるはずなんです。ネットの場合は明らかに、反論を予測しながら書くことになりますから。読む人間がどう反応するかを極端なケースまで予想して書く。ウェブは書いたことにかなり悪口を言われますからね。しかも、新聞や雑誌を違って反応がダイレクトだから、書いたほうもついつい悪口を読まざるを得なくなる。そうすると、あれこれのケースを考えながら書くようになって、すっきりした文章にならない。読んでいるとなんだかうるさい感じの文章になってくる。

反論を予測しながら書くとどうなるかというと、これは官僚の作文に近くなっていきます。

これがおもしろいなあ、と。

http://blog.livedoor.jp/kensuu/archives/50895208.html

まぁなんとなくわかる。
注意して何を書いたところで炎上する時はするものだけど、要は心構え、気の持ち方の話。
その意味だとゼミのレポート発表とかに近いか。
そう考えると、以前日記で書いたはてな脚注地獄 - maukitiの日記
脚注使いまくり病な人も、そうした心情からなのかという気もします。僕もよくやります。


現在のネット世界の在り方*1を多少なりとも理解していれば、
こうした「反論を意識した」気持ちになるのは極当たり前の姿勢だと思う。
昔はそうではなかったのに。
あの頃は良かった。いややっぱり良くなかったです。

やふーぐーぐる他検索エンジンの功罪

実際の所、なんでこんな世紀末で「汚物は消毒だー!」な世界になったと言えば、
結局検索エンジンのせいだと思うんですよね。
もう馬鹿な事すると即発見>炎上される。


昔(十年位前)はリンク集ばっか巡っていた気がします。
興味のあるネタを探す為にはリンク集が基本でした。リンク専門のサイトが溢れていました。
しかし今はもうない。ググレカスとか言われちゃう位ですよ。
むしろ検索避けとか流行ってました。今でもやってる人居るんだろうか。


さて置き、検索エンジンの発達によってこうした世界になった、
というのは多分メリットの方が大きかったんでしょう。ちょっと前に流行ったグローバル化だ!的な感じで。
だがそれと引き換えに私達はそうした「息苦しい」世界になってしまったと。


ある種狂気的だった昔のネット空間も、それはそれで恐ろしかったし面白かったですけど。
今は検索エンジンの発達のおかげでそうした「埋もれた狂気」も珍しくなってしまいました。
さよなら冒険家たち。