死ねば解決するのだろうか

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100206/crm1002061725020-n1.htm
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020601000417.html


1「絶対維持」、2「容認(廃止も可)」、3「段階的廃止」、4「絶対廃止」の内、どれを選ぶかと言えば2かなぁ。
というわけで以下死刑制度についての個人的見解。

  • 「冤罪が怖いから」は禁句
    • そもそもこれまでの人類の歴史において、100%冤罪を生み出さないような司法制度は存在した事はないし、これからもそんなものは絶対にない、と言い切れる。人は必ずどこかで間違いを犯す。あるいは金銭欲や名誉の為に平気で嘘もつくし、自覚がないままに勘違いもする。幻覚を見ることさえ珍しい事ではないし、人は見たいものを見る。人が人を裁く以上、冤罪は、絶対に、無くならない。だから冤罪の有る無しを理由にするのはどうかと思う。冤罪が無かった事なんてないんだから。「死刑じゃなければ冤罪であってもいいのか?」と聞かれたら、あなたは「そういう問題じゃない」と言うんじゃないのかと。
  • 殺し返せば気が済むのか?というテンプレ
    • 少なくとも現代起こってるような低強度の紛争*1が止まらない理由の多くが「殺されたから殺し返す」である事を忘れてはいけないと思う。アイルランドボスニアソマリアイスラエルイラク等々勿論全てでは無いにしてもその要素は多分にある。その最初のきっかけはともかく、一度始めてしまった憎しみの連鎖は中々断ち切れない事は歴史が証明している。そして中には数十年数百年続いてる物もある。つまり少なくとも人類は「まだ」そうした感情は克服できていない。それなのに被害者に「殺し返せば満足なのか?」なんて気軽に言えない。あんな馬鹿な奴らとは違って日本人は優秀なので克服できるはずです!というのならまぁ応援しなくもないけど。
  • 欧州がやってるから〜
    • 「皆やっているから」批判のよくある落とし穴 - maukitiの日記「日本人のみんなが言ってる事はおかしい」に対して「だって欧州のみんなが言ってるから」を持ち出すのはまぁなんというかほっこりします。その「みんな」って数が多いほうの勝ちなんだろうか、それとも人種的な優秀種って意味なんだろうか。
  • ということでもし死刑廃止論を推すとするなら「死は贖罪にならない」あたりで
    • 多分、死刑容認が多数を占めるのは日本人の価値観による影響が多分にあると思う。それは「死んで詫びる」な話。死んだら皆ホトケ様、まぁ日本人の一種の美徳ではあるんだけど。ぶっちゃけてしまえば、「何でも死ねば許されるのか?」と聞かれればそんな事はない。しかし日本人的には、死んだら(辞めたら)責任は取った、という話はよくある話だと思う。そういう価値観がまだ日本人の根底にはあるんじゃないかなぁと。それ故に「死んで償うべきだ」と。海外から見るとハラキリ文化。そこから話を進めていくのなら理解できなくはないかも。