バランスを取る難しさと

ちょっと前から言われている、アメリカでの反オバマ改革の動きである、ティパーティー運動の話。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2799

全国的なうねりとなったティーパーティー運動

 この運動は1年前には存在していなかった。今では、見方によっては米国の政治で最も影響力のある勢力になっている。このため「ティーパーティー・ネーション」が2月4日にテネシー州ナッシュビルで初の全国大会を開いた時、共和党議員は特に注意を払った。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/2799

まぁそういうわけなんです。共和党の手先というよりは、むしろ単純な左的な政策への反感、反社会主義的な運動というべきか。



さて置き、面白いのはこんな動きに対して共和党の中の人がどうしたらいいか迷っている点。

妥協を求めるオバマ大統領の言葉に耳を傾け、反革命運動に反旗を翻す気になった共和党議員は誰でも、明らかに攻撃の標的になるだろう。だが、共和党議員にとってティーパーティー運動家らを敵に回すことが危険であるとすれば、彼らの気を引くのも同じように危険なことではないだろうか。

○どちらに転んでも危険?
 実践的な選挙運動だと喧伝されているにもかかわらず、ナッシュビルに集まった人の一部は、極端で気違いじみた行為の瀬戸際に立っていた。例えば、政治に目覚めた前出のゴットさんは、オバマ大統領の家系図を調べ、オバマ氏が大統領になるのに相応しい人物でないことを示す証拠を探していると話していた。
 タンクレド氏は「多文化主義のカルト」を非難し、米国のユダヤキリスト教的価値を窮地に陥れたとして移民を責めた。タンクレド氏が「ここは我々の国だ」と宣言すると、「この国を取り戻せ!」と割れんばかりの喝采を浴びた。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/2799

オバマ大統領の政策への反発が強すぎて、逆サイドへの揺り戻しの動きも激しくなってる。うわーすごい良くある話です。
極右から極左へ。極左から極右へ。過激な事をやろうとして過激な反発を食らう、そんな激しいリバウンド。その意味において、結局右端も左端もどちらもロクでもないものだと批判する事は確かに正しい。
まぁそんな事は普通の政治家なら誰だって解っているんだろうけど。


とは言っても怒れる正義の市民はそんな事考えてくれないわけで。だから今回の例の共和党の皆さんのように困ってしまう。
引用先にあるように、彼らはその怒りを以って民主党議員を追い出したりした。しかしながら、「穏健的な」共和党の人も追い出しちゃう。だって怒ってるからね! 妥協する事は敗北することなんです、少なくとも彼らにとっては。日本でもどっかで見たことある話です。
勿論こうした反オバマな流れは確かにある面で共和党の力になる。しかしその彼らに迎合する事は、つまり彼らの求める「妥協しない事」も背負ってしまう事になると。政治って妥協の産物のはずなのに。しかし彼らは許してくれない。だって怒れる市民だからな!



つまりそういうわけなんです。
結局の所、本当におっそろしいのは、そんな偏り過ぎた政策はともかく、その後にくる揺り戻しも同じ位恐ろしいと。一足先にチェンジ!したアメリカさんちは今そんなこんなで大変そうです。
さて日本はアメリカをいつまで笑っていられるだろうか。こんな極端から極端に振れているアメリカを。