アメリカ的価値観の主流、あるいは対抗の内の最大勢力な人たち

一体どちらなんでしょうね?




http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39281
めんどくさい人たちではありますよね。古き良き根本主義派。

米国には、昔ながらの信仰が根強く残っている。1つの数字を見れば、それがよく分かる。ギャラップの世論調査では、過去数十年間、常に全国民の40%以上が、人間は1万年足らず前に神がほぼ現在の形で創造したものであると回答している。

 こうした人々が信じているのは、人間の起源に関する「若い地球説」の主張だ。若い地球説は、聖書の一言一句をよりどころとし、科学による反論を一蹴する(化石はノアの大洪水の遺物であり、進化は無神論者が広めた作り話であると主張する)。

 最近のある世論調査では、共和党支持者の58%、民主党支持者の41%が神による創造論を支持している。こうした信仰を下支えしているのは、聖書の無誤性の原則、つまり聖書に誤りはなく、不変の真理であるという確信だ。

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それこそホーフスタッター大先生が仰る所のアメリカという国家に伝統的に存在してきた『反知性主義』のようななにか。知性や理性ではなくて、大衆の感情に訴えるものこそが正義であるという傾向を「内在」してきたアメリカという国家について。まぁこの辺のお話もそうしたところに行き着くのかなぁと。だからといってアメリカの個人個人に知識がないのかというと、まぁそんなこと絶対に言えない。

世界最先端の知識が集まるアメリカの隠しようのないもう一つの顔。



さて置き、上記引用先にある世論調査のように、こうした人たちって別にキリスト教右派共和党支持ばっかりなのかというとそうでもなくて、むしろこうした人たちこそがアメリカ選挙の命運を分ける所謂『無党派層』のかなりの割合を占めてもいるんですよね。「神は民主党員でも共和党員でもない」なんて。その割にアメリカは「神に愛された国」であるとも確信しているのが端から見てて愉快なところでもあるんですけど。
ともあれ、昨今ではようやく『同性愛者』の権利保護などで進み始めたアメリカさんちではありますが、逆に言えば何で今まで進んでこなかったのかって――ついでにいえばなぜ今でも『中絶禁止』が大きな議論になっているのかって、そりゃこうした単純に支持政党では色分けされない人たちが持つ価値観から反対しているからなわけで。そしてだからこそ、そうした中絶反対や同性婚反対を訴える政治家が選挙で勝つことになる。ぶっちゃけ主に共和党なんですけど。

 ジョージア州選出の共和党議員で、下院の科学委員会の一員でもある(上院議員選挙への出馬を考えている)ポール・ブラウン氏は、進化論は「地獄から来た」嘘であると述べている。これは敬虔さなどではなく、ただの迎合だ。

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結局のところ、何故議会などでああも数々のバカげた振る舞いをしながらも、それでも共和党の政治家たちが勝つ理由はこういう所にあるんですよね。彼らは共和党だから勝っているのではなくて、むしろ有権者の声を「正しく」反映させ迎合しているからこそ選挙で勝つことができている。単なる党派政治というだけでなくて、その更に一歩奥にはこうした光景が広がっていることを理解しなくてはアメリカさんちの政治状況をきちんと理解することはできないのだろうなぁと。


知性と反知性、自由と平等。
まぁその曖昧さこそがアメリカという国家の真髄であるわけですけど。