スローガンは人を殺す

政治的な意味において。
かつて暗殺という手段が主だった政治権力の奪取は、人類の輝かしい進歩と言うべきか、とにかく陳腐化した。それが今現在何に代わられたのかといえば、主にそれは出来の良いスローガンによってなされる。


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その意味で今回のこれは政治的に現政府を殺そうという試みである、という見方をすべきだと思う。あんまり出来は良くないけども。ついでに言うとデマだったわけだけど。しかしこうしたスローガンにおいて嘘であるかどうかはあまり意味が無い。
現政権でも「高速道路無料化」や「普天間の県外移設」だとか、あるいは某オバマさんの国でも「核なき世界」だとか「皆保険制度」だとか、彼らは意図的か無意識化かともかく、彼らの謳うスローガンに嘘を織り交ぜて政権についた。
つまり上記のような「外国人への子供手当て反対!」のようなスローガンを用いる事と何が違うのかというと、その出来の良さは別にしても、嘘と言う意味においては大して違いはない。


現代はスローガンによって政治的に人を殺す。
そしてそれは一般的に社会情勢が不安定であればあるほど、その威力は増す。アメリカで起こっているような反・社会主義ティーパーティ運動も、そんなオバマ大統領の政治生命への挑戦である。だからこそ、かつての権力者達が恐れていたような「暗殺」という手段よりもずっと、今の権力者達はスローガンを恐れるべきだと言う事はできる。
上記の例もそうした、鳩山政権への挑戦の一つである。オバマ政権に対するティパーティ運動のような例、とまではいきそうにないけども。


うん、まぁ、暗殺するよりマシだよね、とは確かに思う。