集団だと途端に馬鹿になってしまう私たち

扇動に弱い私たち人間のお話。


http://jp.ibtimes.com/article/biznews/100922/60623.html

 現在、どんな小さな問題であっても論争に発展してしまうほど、尖閣諸島の領有権問題をめぐり相互の疑念は深い。中国の新聞による世論調査では、この論争を終わらせるために戦争をするのが良いと答えた人々が96%にも上った。

http://jp.ibtimes.com/article/biznews/100922/60623.html

まぁ実際の所この数字に信頼がおけるのか?という点はさておくとして、おそらく正確にやったとしてもここまで高い数値ではないにしろ、それなりに驚くような高い数字は出るんじゃないかと個人的には思います。
一昨日辺りの日記で「中国には民主主義や言論の自由のような手段が無いから直接的に暴れる以外にやる事はありませんよね」というような事を書きましたが、しかしそうはいっても、よく言われるようにおそらく今のまま中国が民主化すれば(少なくとも短期的には)それはもう現在よりもさらにすごい反日本志向な政権が誕生するんでしょう。
そう考えると他人事としては、そんな世論は適度に政府の管理下おかれていた方がまだマシである、という事は言えるんですよね。


このような中国での世論調査や中国の民主化による暗い将来予測は別に特段珍しい事ではなくて、結構どこにでもある話なわけで。イスラエルパレスチナだったりキプロスだったりイラクだったりアフガンだったり。民主選挙のせいで国がヤバイ、な構図。
私たちは一般には民主化に価値を置いているけれども、しかし例えば過激なナショナリストや宗教的な扇動家などによって、現状よりひどい結果を容易に呼び寄せてしまうことが結構ある。いや、かなりある。
自由な言論とある程度の高度な教育を受けているはずの日本や欧米の先進国でさえ、そうした過激なナショナリスト原理主義的な宗教政党に票が流れてしまうのに、そうしたものが全く無いような社会において上記扇動家たちを止める魔法の杖や銀の弾丸があるのかと言えば、殆どないわけだ。
私たちは個人でならばともかく、集団になると途端にその空気に流されてしまうから。そして容易に扇動されてしまうと。


まぁだからといって民主化する事に意味が無いかというとそういうわけでもなくて。いつかみんな学習していくはずだから。いつかきっと何とかなる。でもそんなふんわりした結論しか導けないなら、当面は現状維持の方がマシかなぁとは思います。
ということで、「中国の戦争肯定96%」のお話を見て改めて考えた中国の民主化という難題についてでした。