未だ外交でさえない

ほんともう「どうしようもない」のレベルが違うお話。


「イスラエルは消える運命」、レバノン訪問でイラン大統領演説 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

【10月15日 AFP】2日間の日程でレバノンを訪問中のイランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は14日、イスラエル国境からわずか4キロの南部ビントジュベイル(Bint Jbeil)で演説し、「イスラエルは消え去る運命にある」と述べた。

 大統領はイスラム教シーア(Shiite)派組織ヒズボラ(Hezbollah)が拠点とする同地の野外スタジアムで行われた大規模な集会で演説し、「シオニストが消え去ることは全世界が知っている」「(イスラエルに)居座っているシオニストは現実を受け入れ、もとの国に帰るほか道はない」などと述べ、会場や周辺建物の屋上に集まってイラン、レバノンヒズボラの旗を振る数千人の聴衆から喝さいを浴びた。

「イスラエルは消える運命」、レバノン訪問でイラン大統領演説 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

よく最近の日本でも中国との対立が煽られたりしていますけど、しかしまぁ、本場はやっぱり違いますよね。なんていうか桁が違う。そんなイスラエルとそれを取り巻くアラブ国家たちの対立の構図。
イスラエルはそもそもパレスチナの国家の生存権を認めていないし、そして同じ調子で周辺のアラブ諸国レバノンとかシリアとかサウジとかは)もイスラエルの国家の生存権を認めてはいない。国家が存在することでさえ認めていない。


昔某クラウゼヴィッツさんが「戦争とは手段を異にした政治の延長である」的なことを仰っていましたけど、お互いに相手の国家承認という段階にさえ合意していないのはそんな戦争と政治以前の問題ですよね。


イスラエルは消え去る運命」だとかあるいは「パレスチナは消え去る運命」*1だとか、まぁ一見ギャグにしか見えませんけど、本気でそんなことを考えている人たちはそのどちらにも一定以上の割合で実際に存在する。ほんとそれこそ私たちからすれば冗談にしか聞こえませんけど。
そうしてそんな一定以上居るお互いの、ぶっちゃければ頭のおかしい、人たちはお互いにお互いの存在の正当性を相互に証明している。「あいつらはあんな馬鹿なことを言っているから俺たちも許されるのだ」と。イスラエルには「大イスラエル」なんて馬鹿なことを信じている人たちが居るし、しかしその反対には、パレスチナや他のアラブ諸国にも「イスラエルを消し去る」なんて馬鹿なことを信じている人たちが居る。
本当に悲劇的なのはそうした声が、他でなら極少数派となるはずなのに、しかしここでは一定以上の支持を得てしまう。
こうしてお互いの負の連鎖によって増幅された争いの構図はこれまでのおよそ60年以上に渡り固定化され、これからも維持されていくと。


そんな外交以前で戦争以前で政治以前な彼らのお話。

*1:よく批判されるイスラエルの入植活動によって