多くの人が一度は思ったことのあるであろう「コイツ爆発すればいいのに」的人物

権利が天から降ってくるものだと信じるひとのお話。幸福であり、しかしその幸福の絶対性を疑わないひとのお話。ぶっちゃけるとめんどくさい人のお話。あるいは「何マジレスしちゃってるの」日記。


スペインの女性、「太陽」の所有権を主張 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

アンヘレス・デュラン(Angeles Duran)さん(49)は、スペイン紙エル・ムンド(El Mundo、電子版)の取材に、月や太陽系の惑星のほとんどの所有権を登記した米国人男性の話を見かけ、9月に自分も太陽を登記したと語った。
国際社会では、国家が恒星や惑星の所有権を主張してはならないとの合意はある。しかし、個人がそれを主張することについてはなんの取り決めも無い、とデュランさんは語る。

スペインの女性、「太陽」の所有権を主張 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

彼女は確かに真実を語っている。つまり国際社会の間で何を取り決めようが、本質的には、個人の行為を縛る事は不可能であると。大体合ってます。
おそらく彼女は心の底から、そして素朴に、自らの所有権は生来のものであり不可侵のものであると確信している。それも思想的には、大体合ってます。
こうした幸福な彼女は自らの所有権の正当性を国家が保障してくれることを期待して、彼女はそれを国家に申請した。太陽の所有権の担保を国家に依存し、その国家へ自らの所有権の最終的担保を担えと要請している。自分で「国家が恒星や惑星の所有権を主張してはならないとの合意はある」と知っているくせに何て無茶な要求を。しかし彼女にはその無茶という自覚はない。
まるでそれが彼女の生まれながらにして持っている尊重されるべき基本的人権であるように。いやまぁ確かにそれは理念としてはどうしようもなく正しくて善ではあるんだけど。しかしあなたがそれを主張することは、つまりそのまま、国家が貴方に代わって他国へ主張しなければいけないということなのに。日本人の所有権を最終的に守ってくれるのは日本政府だし、アメリカ人の所有権を守ってくれるのはアメリカ政府だし、スペイン人の所有権を最終的に守ってくれるのはスペイン政府であるのに。
それなのにこうして無邪気な行為に至ってしまう。私たちの所有権は誰にも侵されることのない神聖な権利であると確信して。確かにその通りです、理論的は。いやー人権意識の高まりって素晴らしいですよね。


多分「わたしは愚か者じゃないし法律をよく知ってる」というのは、彼女なりの体を張ったギャグなんでしょう多分、きっと、だったらいいな。最後の答えだけじゃなくてその途中の計算過程も大事だよって教えてくれた僕の小学校時代の先生ありがとう。彼女の先生は一体何を教えてたんだと問い詰めるべきです。彼女は悪くない、教育が悪かったんだ。


さて置き、今回の件において彼女の電波具合を一体どこで発見すればよかったのかというと、以下のポイントです。

それを主張することについてはなんの取り決めも無い、とデュランさんは語る。

ほら、誰もが人生で一度は出会ったことありますよね、何故かしたり顔で「そんなことどこにも書いてねーじゃん!」という人。「何時何分何秒前に言ったんだよ!」な人。コイツめんどくさいから爆発しちゃえばいいのに、って多くの人が思ったであろうアレです。めんどくさいから爆発すればいいのに。