現代格付け機関の悲哀

「そういうことに疎いので」で燃え上がってたあれのお話。風邪っぴきなのでお手抜きです。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5363

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による日本国債の格下げは1月27日に市場を震撼させた。その後は例によって、格付け会社が日本の信用力について何を語るかはほとんど重要でないという冷静な認識が広がった。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5363

まぁ彼らのそうしたポジションも理解できない話ではないんですよね。結局の所彼らは、顧客*1のために、その格付けを提供しているのだから。顧客というのはつまり他所から何かに投資したいと思っている人・団体なわけで。でも日本のそれはほぼ無条件で、(そして究極的には)日本だからという一点で買われている。ほとんど日本人しか買っていない(そして理解できない)商品に、日本の外からその値段に格付けをしたところで意味がないのは当然の帰結でしかない。


それは例えば、アニメのBD・DVD購入にまったく興味ない人に対して、アニオタが「角川価格*2きっついわー、だから売れないんですよアレ」と説明している状況に近い。結局アニメに興味が無い人に幾らその値段の格付け(正当性)を説いた所で、それがどうなろうが、全く意味はないんだから。
その要因(アニメが好きかどうか)がない人には、そもそもはじめから、まったく見向きがされない。


しかしこうしたFTの論説もなんというか身も蓋もない言い方ではありますけど、でもこれって「まだ」優しいお言葉ではあるんですよね。だって、別に格付け会社が『日本の信用力について』何を語るのかはほとんど重要ではないと書いてありますけど、多くの人にとっては最早それってもう日本に限った話じゃないのだから。
結局の所、彼らの現状認識の正当性は、あのサブプライムの証券にAAAを付けていた実績という点で、最早証明されてしまった。
だからもう少しぶっちゃけた言い方をしてしまえば「格付け会社が何を語ろうとほとんど重要でないという冷静な認識が広がった」でしかない。

*1:そして公益の為に。でも「適切な格付けよりも、公益の方がより重要だとされればそうするの?」と聞かれると困ってしまいますよね。

*2:角川書店が発売するアニメDVDには2話収録・限定版定価8,190円のものが多く、 不当に高いと言われているアニメDVDの中でもトップクラスの高さであり、 その極悪仕様っぷりから角川価格という称号が特別に与えられ、恐れられている。用語集/角川価格 - アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki - アットウィキ