ネットに振り回される私たち

スモーのあれから考えたお話。


大相撲春場所中止へ、八百長問題で 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ずっと一面を賑わせていたエジプト関連から一転、日本の一面ニュースに躍り出た角界八百長問題。まぁこれをもって日本のメディアは云々、と嘆く人の気持ちもまぁ解らなくはないんだけども、しかしこれって何気に面白いお話だと思うんですよね。それこそチュニジア-エジプトと続く騒動の話や、あるいはウィキリークスの話と同じ属性の話として。


実際『相撲の八百長疑惑』ってもうずっと昔から言われ続けてきた話ではあります。そして詳しい人からすれば「おそらくそれに近い物はあるんだろう」と暗黙の了解に近いものも。私自身としてはあんまり相撲を積極的に見ることもないので、その是非については結構どうでもいいポジションなんですけども、巡回先で唯一大相撲の解説をしているnix in desertis様のところのnix in desertis:データで見る大関互助会などの記事を見て「へーそうなんだー」位に思っていたくらいでした。
翻って、それが今回の相撲の騒動によって、とうとう携帯メールが証拠として挙げられてしまう。メールて。これまで少なくとも建前としてはその隠蔽に成功してきたのに、そんなうっかりミスで露呈してしまう。よりによって携帯メールなんかで。そのやり取りの内容もすごい気の抜ける話でしたよね。
これまでは「私自身が証拠です」*1なんてレベルで語られてきたそれが、たかだかメールのやり取りでばれてしまうってすごい面白いお話です。あの人今頃何を思っているんだろう。それこそよく言われる「子供に携帯を与えると学校の裏サイトとか色々危険です!」とかそういうレベルの話じゃないのかと。「力士に携帯を与えると危険です!」的な。一体何でこの人たち携帯メールなんかでやり取りしてたんだろうと心底疑問に思います。本当にそれでバレないと思ってたんだろうか。


そう考えるとブログやらmixiやらに馬鹿みたいに個人情報を書いて炎上しちゃう人も、ウィキリークス問題をはじめとする機密情報の取り扱いに杜撰な政府や企業も、ネットでの情報交換を止めようとして遮断しようとして遮断と迂回のグダグダレースをしているどっかの独裁国家の偉い人も、そしてメールでばれちゃうお茶目な力士の皆さんも、まぁ皆同じ位置に立っていると思うんですよね。
結局の所、皆同じようにインターネットという新しいツールの適切な扱いに未だ慣れていない、と。だからこそ今回の馬鹿みたいな流出事故が起きてしまう。数十年以上隠し続けてきたそれも一瞬でパァに。一部の人がエジプトやチュニジアのそれを「サイバー発革命*2」とか脳天気に言っているけども、それを言ったら今回の相撲のそれだって同じ位「サイバー発革命」ですよね。何せ他の罪で調べられた人が携帯メールによって八百長まで明らかにされちゃうんだから。
まるで援交で捕まるオッサンのようです。

*1:かつて八百長を告発しようとした元力士が証拠として「私自身が証拠です」と発言していた。何言ってるか意味がちょっと解りませんよね。板井圭介 - Wikipedia

*2:ビジネス : 日経電子版