大失敗のよくある原因

そんなこと今更言われても、なお話。


ギリシャのユーロ圏加盟、十分な制裁必要だった−イッシング氏(1) - Bloomberg.co.jp

5月27日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストだったオトマー・イッシング氏は26日、ギリシャがユーロ圏に加盟できたのは欺いたからだと述べた上で、ユーロ圏首脳は「あまりにも鷹(おう)揚」で、その後ギリシャに対し十分な制裁を科さなかったが、もしそうしていたら欧州債務危機は回避できていただろうと指摘した。
  イッシング氏(75)はコペンハーゲンでインタビューに応じ、「私がECBに在籍していた時、基準を満たさない国が現れるたびに苦しんだ」と述べ、「ギリシャは欺いてユーロ圏入りしたが、こうした不正を行う国への対処方法を見つけるのは難しい」と付け加えた。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=am9voGj9tKN8

なんというかあまりにもぶっちゃけ過ぎです。
しかしまぁ実際当時の熱狂振りを見れば、解っていても止められなかったんだろうなぁと少し同情したくなる気持ちは解ります。東方拡大からユーロ導入まで、それはもう「いけいけどんどん」な時代。実際当時の欧州連合に書かれた本を読むとすごいですよね。ユーロ通貨の賛美っぷりなんやらで。実際にあの頃は(少なくとも表面上は)確かに成功と言って良かったわけだけど。「ドル神話崩壊!」なんて言われていましたよね*1
そんな空気の中で、当時はその勢いに水を注すようなことができなかったんだろうなぁと。確かに今更過ぎる言い訳ですけども、なんというか「ザ・失敗の構図」な感じで暖かい気持ちになれます。
失敗の原因は当時から解っていたけれども、しかし、その時はそんな事を言える雰囲気ではなかった、と。
うわーすごいよくあるお話です。

*1:『「ヨーロッパ合衆国」の正体』(トム・リード著)とか面白いです。