スロバキアさんちの否決が突きつけているもの

茶番と一言で切り捨てられるお話ではありますけど、でもそれだけじゃ寂しいので適当に書きます。


/ WSJ日本版 - jp.WSJ.com - Wsj.com
スロバキア議会、欧州金融安定化基金拡充案を否決 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【10月12日 AFP】スロバキア議会は11日、欧州連合EU)の債務危機国を支援する「欧州金融安定化基金(EFSF)」の規模・機能拡充案を否決した。

 議決には定数150人のうち124人が出席し、賛成は55票、反対は9票、棄権票は60票だった。

スロバキア議会、欧州金融安定化基金拡充案を否決 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

ということで地味に注目されていた、スロバキア議会でのEFSF拡充案の採決でしたがものの見事に否決されたそうです。少しくすっとしちゃいますよね。ユーロ加盟17カ国の中でスロバキアだけ否決、って一体スロバキアでなにが。
まぁそれはよく言われてもいるように、自分たちより金があったはずのギリシャを何故自分たちが助けなければいけないのか、といった反感もあることはあるんでしょう。それって別にスロバキアだけじゃなくドイツにだってフランスにだって何処にでもある反発でもあるんですけど。


で、こうなると。
スロバキア野党がEFSF承認で政府と合意 来年3月に総選挙実施へ| Reuters
スロバキア最大野党、EFSF拡充案の採決で合意−選挙前倒しが条件 - Bloomberg.co.jp
なんという茶番でしょう。結局のところ、今回のスロバキアさんちの騒動は国内『政争の具』でしかないと。
ここでスロバキアさんが突きつけているのはそういうことだと思うんですよね。彼らはつまるところギリシャのことを心底他人事だと思っていて、そして悲しいことにそれは的を射ている。ギリシャがどうなろうとスロバキアには直接影響は(他国と較べれば)あまりないのだから。彼らに欠けているのはギリシャを救おうとする気持ちではなくて、そうした本来共有すべき『危機感』であるわけです。故に彼らはそれを政局という結果に至っている。


そんなスロバキアさんちの他人事感。それはかつてハーバーマス先生が仰ったグローバルな統治に必要とされる『国内政策的な国際政策』とは真逆にあるものです。彼らはギリシャのことを救うべきではないと考えているのではなくて、もっと素朴に、そして単純に、他人事だとして捉えている。そんな他のユーロ加盟の17カ国がどうにか隠してきた真実を、あっさり曝してしまった名探偵スロバキアさんの活躍でした。
実はこうしたことの方が『欧州連合』そのものにとっては致命的なんじゃないかなぁと思うんですよね。