シリアとリビア、なぜ差がついたのか?

慢心とか環境の違いだったら良かったのにね、なお話。


シリア、政権のデモ鎮圧続く 戦車投入で市民50人が死亡 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということであまり日本では語られませんけど、しばらく前からずっと燃え続けて最近になってその度合いが更に激しくなりつつあるシリアさんちです。まぁそんなシリアの騒動を尻目に、日本だけじゃなく世界のどこでも大抵「それどころじゃない」状況が続いているので仕方ない面はありますよね。でも結局の所、シリアの不幸ってそういう所に求められてしまうのかなぁとやっぱり思うんですよね。


つまるところ、もう誰もシリアのことを真剣に考えている余裕が無くなってしまったと。
ぶっちゃけてしまえば、もうシリアのアサドさんの暴挙の具合ってリビアカダフィさんがやってたことと相当する位のことはやっているわけですよね。でも誰も積極的に助けてくれない。当然そうした行動に対する反発は世界各地から寄せられてもいるわけだけど、今はみんな手一杯だから。
デモ弾圧でシリア政府を非難、安保理議長声明 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
CNN.co.jp:シリアのデモ弾圧で乳児死亡も、サウジ国王やローマ法王が非難
国連にGCCにサウジ国王やローマ法王まで出てきています。面子だけ見れば世界が一つになっとるでー、な感じはあります。でも誰も積極的に助けてくれない。悲しいお話ですよね。逆説的にそんな風に真摯に言葉を重ねれば重ねるほど、それ以外には今は何も出来ないことの証明ともなってしまっている。
それは誰もがリビアの二の舞を恐れているからでもあるんですよね。
リビアの時にはかなり役割を果たした安全保障理事会にしても、今回は「議長声明」という形でしか動けない。それはリビアのシナリオの再演を恐れるロシアや中国やインドなどの都合であるし、どちらにしてもリビアでもまだ続いている以上、同時にシリアの弾圧を直接的に止めることはできないから。


こうしてある意味で万人の黙認の下、シリアの騒動は見過ごされてきて、そして多分これからも続くのでしょう。いやぁ悲しいお話ですよね。
もしシリアがリビアよりも先に炎上してればこんなことにはなってなかったかもしれない。もしシリアがもっとヨーロッパに近ければこんなことになってなかったかもしれない。まぁそんな「もし」には意味などないわけでありますけど。
そんな椅子取りゲームに負けたシリアさんちのお話でした。