「日本人はロボット」の斜め上をいく私たち

並ぶの大好き日本人、なお話。


http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1654703.html
あー、まぁよくある構図といえばよくある構図ではありますよね。
ただこれってある種の『祭』なんですよね。
よく「日本人は並ぶの大好き」とかそれは確かにその通りで、けど少なくともネトゲでは単純に効率性や平等主義を追求した結果というわけではないんです。むしろ、ネトゲでこういう待機列が生まれるのって「並んでやろうぜwwwwwwwww」的な、少しの打算と暇つぶしとユーザーイベント的な一体感によって生まれている。


だからレアアイテム争奪戦的な構図でこうしたことが生まれることはあまりなくて、別に並んでも意味はないけどただ楽しいから、という理由でやられることの方がほとんどなわけです。
こうした「ネトゲの中で列を作る」構図は、むしろ個人的な利益の絡まない時にこそ発生しやすい。
嫌々やらされる必須クエスト・イベントをいち早く達成しようとする「ゲーム内で真に必死人びと」は、こうした列を作って遊んで喜ぶ人々よりも先にクリアしているし、そして一度「並ぶ」状態になってしまったら、むしろ深夜や早朝など人の少ない時間を選んでプレイする。わざわざ妨害しようとさえしない。だって効率的に考えて意味がないから。


ということで、こうした時に列を崩す行為や妨害をすると、同じ「コイツ空気読めてねー……」な雰囲気になるのは確かにそうなんだけど、内実は微妙に違うわけです。
むしろそこで彼らが怒るのは「何故楽しくやってるのに邪魔するのか?」という方向であって、確かにそういう「損をした」な気持ちもゼロではないんだけど、だからといって一人が順番を守らなかったことが切欠でそのまま一気に「俺も俺も」と列が崩壊したりしない。
こうした時に現れる妨害者は、内輪で楽しく盛り上がっているところにやってくる「空気読めてない奴」と見なされ、故に妨害者は排外されることになる。
結局の所、ネトゲにおいて列待機はある種の突発的なユーザーイベントなわけです。「ネトゲでも並んでる俺たちwwww」的な自虐も含め、そうした行為に楽しみを見出している。


つまり、海外の人びとが抱く「もはや日本人はロボット」は微妙に間違っているんですよね。それは日本人の真の恐ろしさ・特殊性を理解していない。
別に私たちは効率性を求めた結果として、ネトゲで列を作っているわけではない。むしろ列を作ることこそに喜びを見出しているんです。だから並ぶのに忍耐だって必要ない。一部の人びとが日常生活においてもまるで吸い寄せられるように行列に並ぶのは伊達ではない。私たちはそこに楽しみや喜びを見出している。日本人にとっての文化であり、ある種の宗教的行為でさえある。


ぶっちゃけ「必要に駆られて並ぶ」より、こうして「並ぶことに楽しみを見出す」方が実はコワイんじゃないかと思うんですよね。「何か面白いことやろうぜ!」と考えた結果『列』を作る私たち。どこのマスゲームかと。
そんなロボットどころではない彼らの想像の斜め上をいく私たちのお話でした。