メドさんちの家庭の事情

日本やアメリカや欧州だけでなく、やっぱりロシアさんちの台所事情も苦しいんだなぁと生暖かくなるお話。


露大統領、米国の欧州MD計画に対抗措置 START脱退も示唆 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
わーメドさんがデカいこと言っとるでー。しかし「イスカンデル」とか(聖杯戦争的な意味で)なんてタイムリーなんでしょう。どうでもいいんですけど、イスカンダルなのにヨーロッパに配備するなんて片手落ちですよね。ちゃんと中央アジア辺りに配備しておけば、ものすごく上手いこと言ってやった感が出て面白かったのに。まぁ明らかにケンカ売ってますけど。
この意味で、今回の件に関してロシアが『まだ』本気じゃないということが解りますね。Q.E.Dです。






とまぁ冗談はさて置き。

 2008年の大統領就任以降、冷え込んでいた米露関係の修復に努めてきたメドベージェフ氏が米国との対決姿勢に転じた背景には、外交や軍事面で強硬路線をとりながら大統領復帰を狙うウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の存在があるとみられる。(c)AFP/Stuart Williams

露大統領、米国の欧州MD計画に対抗措置 START脱退も示唆 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

やっぱり今回の件に関しては、そのアメリカやNATOへの対外向けというよりは、ロシアの国内向けの事情の方が大きいのかなぁと。選挙モードに入ったメドさんプーさん率いる統一ロシアの人たち。実際、MDへの直接の対抗という点においては、そこまで意味がある措置ではないみたいだし。だからなのか、アメリカやNATOさんにしても今回の件では大して反応を見せてないんですよね*1
つまり対外向けな『強いロシア』を演じているのではなくて、むしろ国内向けの為にこそ、こんな声明が出てきているんじゃないかと。
経済危機によって金がなくなった以上、より『金の掛からない』人気取りに出たという構図。以前の日記でもちらほら書いてきましたけど、やっぱりロシアの人びとの記憶にはにはかつての超大国としての誇りが強くあるわけで。かつてプーチンさんの登場に際しても求められていた、伝統的な『強い祖国の復活』というものをもう一度繰り返しているのでしょう。まぁアメリカさんちでもよくあるお話ではありますよね。国際的に発言しているように見えて、実の所、国内有権者に向けのアプローチをしているに過ぎない。我らが日本の例だと「消費税増税」を国際公約する感じでしょうか、……ちょっと比較して悲しくなりました。


asahi.com(朝日新聞社):プーチン首相に「大ブーイング」=前代未聞、政権動揺―ロシア - 国際
そういえば最近こんなこともあったんですよね。そしてこうした支持率低下の兆候を、彼らが以前から掴んでいたとするならば、2ヶ月前にあった時はいまいち角度が解らなかったんですけど、
大統領選候補者にプーチン氏、ロシア与党 写真12枚 国際ニュース:AFPBB News
という記事の角度もそうした理由なのかなぁと。プーチンさんとメドさんのこうした権力委譲は、単純に国内政治権力争いの激化の末に連帯に至っているだけでしかないと。そりゃ身内で争っている場合じゃありませんよね。まぁさすがに統一ロシアが負けるという可能性はほとんどありそうにない話ではあるんでしょうけど、しかし危機感としては現実として存在しているのだと。


まぁこうした視点からすると、選挙対策として国内向けにパフォーマンスするなんて『普通の民主主義』が少しずつロシアにも浸透しつつある証拠なのかなぁとは少し思います。だけどそんな国内向けの人気取りをやり過ぎた結果、危機を招いてしまった例はそれこそ無数にあったりもするのでした。なので個人的には、今回の件で恐れるとするならばむしろそっちの方じゃないかと思うわけですけど、皆さんいかがお考えでしょうか?