アメリカの8年9ヶ月戦争のおわり

イラク戦争の教訓について。


米大統領、イラク戦争終結を宣言 兵士らを称賛 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News
米大統領、イラク戦争終結宣言…戦死者に哀悼も : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ということで終わりだそうです。まぁオバマさんにしてもこういう言い方になってしまうこと自体は理解できなくはないんですよね。なにしろ、その復興政策には終わりはないんだから。一体どこまでやればイラク復興は『完了』するのか。そんなものきちんと誰もが納得できる形で定義なんてできるわけがない。じゃあアメリカは未来永劫それを続けていかなくちゃいけないかというと、それも到底現実的ではないわけで。ということでオバマさんが今回のように半ば一方的に宣言するのも仕方ないかなぁと。


まぁそうしたことを言い出したら、そもそもこんなことをはじめてしまった、こと自体が失敗だったとは言えてしまうわけで。その意味で、アメリカを殊更に批判する人たちの言葉はかなりの部分まで正しいのです。
「合理的な」私たちはフセイン圧政下で苦しむイラク国民のことなんて無視していればよかったんです。所詮他人事なんだから。その自国から遥か遠い所で苦しむ人びとについて、幾らでも『非難』という形だけのポーズをやっていれば良かったのです。例えば現在のシリアのように*1。まぁそれで体制が崩壊したらラッキーだし、そのまま続いていても大して私たちの懐は痛まないんだから。偶に気が向いた時だけ(運良く国際社会の同意が得られた時だけ)ちょっとやり過ぎた奴を懲らしめればいいし、あるいはそれがユーゴスラビアリビアのように無視できないほど自分たちの近くで起きた時だけ動けばいい、と。


今回のイラク戦争はまぁそんなどうしようもなくロクでもないことを、改めて証明したんだなぁと思うんですよね。結局、私たちは自分自身――国内のことでさえ救いきれないのに、ましてや他国のことなどに構っていられない。
私たちが他国のことを救おうなど労ばっかりで大して得るものなどないのだと。ぶっちゃけてしまえば、フセインイラク大量破壊兵器なんてなかったし、アメリカが単独行動してまで倒すほどの価値なんてなかった。単独行動をしてまで得られるものなど何もなかった。もちろんそれを許すことはできないけれど、しかし現実的な選択肢としてできることなんてほとんど何もなかった。
いやぁ人道主義ヒューマニズムってほんとうに素晴らしいですよね。
そんなアメリカを見て、私たちは何と言えばいいのでしょうね。思い上がりでしょうか? 偽善でしょうか? 傲慢でしょうか?


私個人としては、万感の思いを込めて、「アメリカはバカだなぁ」という辺りになるのかなぁと。皆さんはいかがお考えでしょうか?