『保守の救世主』探しがやめられない

まるでどっかの国のどっかの政党を見ているようですよね。


アイオワ共和党員集会、ロムニー氏が8票差で勝利 米大統領選 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
8票差て。まぁ逆説的に共和党の候補者選びの混迷さ具合の象徴でもあるのかなぁと。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34239
そんな共和党予備選の混乱具合についてエコノミストさんの記事でうまくまとまっています。

 現在の共和党は、信頼できる中道右派の企業寄り政党として、11月の大統領選挙で、本誌(英エコノミスト)を含めた無党派層に受け入れられる候補者を立ててほしいという声に応えず、自党の候補者に、偏屈で極端で後ろ向きな主張ばかりを背負い込ませている。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34239

まぁそういうことであるのでしょう。分裂するアメリカについて。
本来、ただ選挙で勝つ為ならば、むしろより中道で相手よりもほんの少しだけ右か左に立つことこそが重要なわけです。それなのに何故かより極端に走ってしまう人たち。といってもそれは共和党だけじゃなくて民主党でもやっぱり似たようなことをやっていたので現在の共和党だけを殊更にバカにすることはできないですよね。かつてのオバマさんだって、私たち日本人から見ればそこそこ中道左派のように見えても、しかしアメリカ人の一部からはまさに極左扱いだったわけで。
しかし前回の民主党予備選では、そんな主張の偏り具合をまさにオバマさんのそのカリスマによってねじ伏せたのでした。
不毛な『保守の救世主』選抜の末路 - maukitiの日記
以前の日記でも書きましたけど、その意味で、今の共和党の混迷さはあの時のオバマさんのようにカリスマのある『保守の救世主』を担ぎ上げることにようとしながらも、そんな人材の居ない共和党の悲劇という話なんじゃないかと思うんですよね。こうして現在になって振り返ってみればそのオバマさんのカリスマはかなりメッキが剥がれつつあるものの、それでも当時としてはものすごいものがあったわけです。極端な主張をしながらも、しかし、それを期待に変えるだけの人気が。なまじ『オバマ大統領』という成功例が実現してしまったが為に、その成功例から離れられない人たち。

しかしまぁケインさんがこけ、バックマンさんがこけ、ペリーさんも躓いたし、キングリッチさんもこけ、そして元々ポールさんはちょっと右より過ぎるし……、ということで元々本命だったロムニーさんが結局勝利しちゃうのかなぁと。まさかのロムニーさん以外全員沈没。「敵にしたら恐ろしいが味方にするともっと恐ろしいティーパーティー」を象徴しているかのようです。

不毛な『保守の救世主』選抜の末路 - maukitiの日記

そしてその最後の希望として、今サントラムさんががんばっていると。最後の(中道穏健派の)魔王ロムニーに悲壮の戦いを挑んでいると。いやもう私たちはこの絵をどういう気持ちで見ればいいんでしょうね。
あのオバマさんの熱狂を自分たちでも再現しようとして、見事に失敗している共和党。そんなことやらないでもっと現実的で地に足をつけてやれば、勝てない選挙ではないはずなのに。いやぁ悲しいお話です。