イラクの二の舞を踏まない為に

世界が平和でありますように。


「米・イラン戦争」は起きるのか?過熱する米政界 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://japanese.ruvr.ru/2012/01/04/63379963.html
なんかものすごい盛り上がってます。年明け早々から忙しそうでおつかれさまです。イラン戦争の一歩手前。まぁイランさんとしても原油が値上がってくれるのは、願ったり叶ったりなので危ういチキンゲームではあるもののそこまで損はないんでしょう。それがまだ不完全であるうちは。
イラン制裁強化、EUも原油禁輸で合意:識者はこうみる| Reuters
それこそ米欧が買ってくれなくても他にも買い手はいっぱい居るわけだし。ちなみにイラン産原油の輸入国上位三国は1中国2インド、そして3日本なので一体どうするんだっていう。アメリカやヨーロッパと違って私たち(国内需要の約1割を占める)日本にとっては全然問題ないわけがないわけでありますよね。
この構図でものすごく愉快なのは「イランの核兵器開発に対する制裁の為の原油輸入停止であるはずが、原発を停止したい日本はその輸入をやめられない」という、えーい一体なにがなんだかサッパリでややこしやーな所だと思います。原理的原発反対派の皆様が一体どちらを支持するのか大変気になるところではあります。あ、やっぱりどうでもよかった。
そういえば少し前に某仕分け議論で「石油備蓄削減」なんてやっていましたよね。まぁ結局、IEA国際エネルギー機関に怒られてやめたそうですけど*1。いやぁ怒られておいてよかったですよね。
しかしあれからたった二年で見事にこんなことが起きてしまって、スーパー堤防とかスパコンだとか、なんかもう彼らの逆張り具合にはむしろ感心してしまうしかありません。「こんなこともあろうかと!」の逆バージョン。逆にすごい。


ともあれ、まぁ関係国の間の合言葉としてはやっぱりタイトルのような「イラクの二の舞を踏まないようにしよう」という辺りなのではないでしょうか。ぶっちゃけてしまえば、あれは結局誰も得をしなかったわけだし。

 共和党のリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員は前年11月、米CBSテレビの番組で次のように力説した。「(イランの軍事)能力は有り余るほどで、核施設を狙うだけでは不十分だ。現政権を去勢し、空軍を壊滅させ、海軍を沈め、革命防衛隊(Revolutionary Guards)を狙い、イラン国民に政権を転覆させなければならない。必要なのは体制変革だ。彼らが核兵器を手にしたら、世界は暗黒となる」

「米・イラン戦争」は起きるのか?過熱する米政界 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

個人的には上記AFPの記事にあるようなネオコン流の「体制変革」まで求めるのはやっぱり悪手だと思うんですよね。確かにそれは根治という点では確実なんでしょうけども、しかしそれをやるには今のアフガニスタンイラクを見れば一目瞭然のように犠牲が大きすぎます。やっぱり現実的な路線としては、これまでもそれこそイラクなどで成果を挙げた「経済制裁による開発計画の頓挫・弱体化」を狙うという辺りになるのでしょう。
で、そうなると経済制裁をどこまで広げられるか、という辺りが焦点になると。欧州の人たちにしてもアメリカさんの意向なんて無視して放置すればいいんだけど、しかしそれだとかつてのイラクのように、もしまたアメリカが単独行動しようとした時に誰も止められなくなるという教訓があるわけで。きちんとその問題に以前からコミットしているからこそ、いざというの時の発言権は得られるわけだから。まぁ身も蓋もなく言ってしまえば「アリバイ工作」ではあるんですけど。
イラン、核燃料棒の製造に成功 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
とすると「核なき世界」を目指す私たち日本は一体どういう態度を取ればよろしいのでしょうね。
いやぁとってもめんどくさいお話です。野田さんがんばれ。

*1:「日本の公的備蓄の減少は、北東アジア地域一帯における緊急時対応能力にマイナスの影響がある。」http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100409a04j.pdf(PDF)より