第二次イスラム復興

あるいは第三次だったり。


エジプト議会選、イスラム勢力で7割 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
まぁ以前の日記でも書きましたけど、予定通りの展開ではありますよね。

【1月22日 AFP】ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領の退陣後初めてのエジプト議会選の最終結果が21日、発表され、イスラム勢力が議席の3分の2以上を獲得した。

 一度は非合法化された穏健派イスラム原理主義団体「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」系の「自由公正党(Freedom and Justice Party)」は議席の47.18%に上る235議席を獲得し、第1党となった。また厳格なイスラム原理主義を掲げる「ヌール党(Al-Nur)」は議席の24.29%にあたる121議席を獲得し、第2党になった。

エジプト議会選、イスラム勢力で7割 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

彼らは勝つべくして勝ったのだと。
しかしその勝利って、かつての石油ショックの時代にあった、その石油価格の高騰によって彼らイスラム世界が(西欧文明に対しての)自分たちの存在価値を高められ、そしてその自信に火がついた結果を『イスラム復興』であるとすれば、やっぱり今回も構図としては似たような所にあるのかなぁと。特に最近になってあからさまに語られるようになった資本主義の失敗など、先進国たちが勝手にコケたことによって、再びイスラム的価値観の再評価・復興がまた始まっているんだと思うんです。
これまで『アラブの春』に最初に火をつけたのは経済危機だったと書かれてきましたけど、そのショックの大きさで言えばやっぱり現在の私たち先進国だってかなりのものであるわけですよね。アメリカにしろヨーロッパにしろ日本にしろ、私たちは見事に苦しんでいる最中でもある。


そんな私たちを見て「ああ、こいつらダメだな」と思われても全く不思議ではないし、そして「だからこそイスラム復興だ!」となるのもやっぱり不思議ではないと思うんですよね。そりゃチュニジアにしろリビアにしろエジプトにしろ、どこでもイスラム政党が勝利してしまうよなぁと。
その意味でやっぱり構図としては、両者の相対的な差が縮まったという点で、あの時のイスラム復興運動と同じと言えるのではないでしょうか。あの時は彼らが上がり、そして今回は私たちが下がることによって。結果としてイスラムの優位性が語られる余地がより大きくなっている。「やはり(原理的な)イスラムのやり方こそが正しい」のだと。