人間には感情が理性よりも賢い場合があります(※ただし玄人に限る)

知識と経験に裏打ちされた『勘』についてのお話。


感情が「理性より賢い」とき|WIRED.jp
みんな大好き『フレーム問題』の解決的なお話かと思ったら全然そんなことなかったぜ! なお話。いやでも処理能力の限界という点では近いとも言えるでしょうか。
ともあれ、上記リンク先でも既に言及されていますけど『感情』という書き方は少し語弊がありますよね。emotionやfeelingについて、感情ではなく衝動や感覚・直感・勘といった訳の方がより適切じゃないのかと。

それと同様に、ファム教授の研究の被験者もまた、「感情によるお告げ効果」はある程度知識のある事柄においてしか得られなかったようだ。大学フットボールの知識を持たない被験者の場合、BCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームの結果の予測に感情は役立たなかった。

つまり、われわれの感情は愚かでも万能でもない。感情のお告げは不完全だ。しかし、それでも強い感情というものは、「たとえ何もわからないと思っているときでも、実は脳は何かを知っている」ということの知らせなのだ。

感情が「理性より賢い」とき|WIRED.jp

しかしそんなこと結構誰にだって解っているお話ではあります。ちなみに僕にとっての初出は確か某エクセルサーガで学習した気がします。知識と経験から裏打ちされた非論理的な考察を勘と呼ぶならば〜云々。
これはこれで確かに重要な研究ではあるんでしょうけども、しかしむしろ重要なのは『「感情によるお告げ効果」はある程度知識のある事柄においてしか得られなかったようだ』という辺りなのかなぁと。昨今の日本でもものすごくその辺を弁えておいて欲しい方がたくさんいらっしゃいますよね。危険なモノについて直感的に「危険だ!」と叫ぶのはいいんですが――その背景にあるものが知識や経験ではなく――ゴーストやらガイアに囁かれたからだ、なんて言われてもすごい困ってしまうわけで。素人のそれと玄人のそれを同様に並べられてもコメントのしようがありません。
まぁ振り返ってみると、我らが政権与党様も「素人だからこそ意味がある」的なちょっと意味の解らないことを仰っていたので、病魔は深いなぁと生暖かい気持ちになってしまいます。


ということで結論としては感覚・直感・衝動といった無意識なものが上手く機能する場合とは、それこそ本人の(意識的な)処理能力以上に知識や経験が膨大に蓄積されている場合に限る、といったユメもキボーもないお話であるのでした。むしろそれだけ勉強していれば、そりゃそれ位の直感は働きますよね。
この構図どっかで見たことがあるなぁと思ったらあの「※ただしイケメンに限る」と全く同じだということに気付きました。いやぁ身も蓋もないお話です。