カッとなってやってないし、今も反省していない

そんな犯人について、私たちは一体どうやって対応すればいいのでしょうね?


ノルウェー銃乱射事件、「被告に責任能力あり」 再鑑定結果 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでキ○ガイ認定されかけていたあの人が、一転「責任能力あり」として鑑定結果が出たそうです。

【4月11日 AFP】2011年7月にノルウェーで77人を殺害したとしてテロ行為の罪で起訴されたアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)被告(33)は、犯行当時、刑事責任を負うことができる精神状態にあったとする精神鑑定結果が10日、オスロ(Oslo)地裁に提出された。

 先に同被告は妄想型統合失調症だとする鑑定結果が出されており、ノルウェー国内では再鑑定を求める声が上がっていた。

ノルウェー銃乱射事件、「被告に責任能力あり」 再鑑定結果 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News

まぁなんというかぶっちゃけこの結論って犯人であるブレイビクさん以外誰も得をしない結論じゃないのかなぁと。
彼としては当然――自身が望んでいないように――「狂っていた」と判定されてしまっては、本来主張したかったそのアレな思想自体を否定されてしまいかねないわけで。その意味で『応報刑』という視点からすれば「妄想の世界に生きている」という選択肢が一番適切だったのかなぁとは思ったりします。なんらかの思想家たちをもっとも簡単に否定する方法は、やっぱりその人物を「狂人」というレッテルを貼ってしまうことなんだろうし。
こうして彼の正気が保障されてしまうと、ノルウェーの最高刑である「人道に対する罪(禁錮30年)」が適用されることになるのでしょうけど、それだと厳罰を求める人びとによる再鑑定の声はこれだとむしろ逆効果になってしまうんじゃないかと。狂っている、としたまま精神病棟に隔離しておいた方がやっぱり厳罰であったようには少し思ったりします。ついでに死刑や終身刑の復活を望まない人びとにとっては、怒れる反対派が増えてしまう状況を招きかねないわけで。
やっぱりその意味では、犯人以外誰も得をしない「被告に責任能力あり」という結論ではないかと。
そんな社会の暗黙の要請に対し、決然と司法は真実を追及して見せた、という見方もできるんでしょうけど。このまま最高の罰である「禁錮30年」が決まったとしても、やっぱりそれはそれで後の禍根を残すことになりそうで他人事ながら大変そうなので是非がんばっていって欲しいと思います。


さて置き、穿った見方をすれば、確かに彼は『潔さ』や『信念』といった理由から「精神科施設に送られることは「死よりも悪い」と話している」としてもいるんでしょうけど、実際の所、ノルウェーの制度の事を念頭に置いた場合、将来について合理的に考えても精神科施設に送られるよりも刑務所に入った方がマシだとも言えてしまうんですよね。
そんな彼と、かつての我が国の某オウムの人との対比――「正気である事を証明しようとした人」と「狂気である事を証明しようとした人」――と見ると、まぁ色々考えてしまうお話ではあります。