とにかくもう市場やユーロには縛られたくない

そんなフランスさんちの十五の夜。じゃなかった2012年大統領選挙の前夜。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35074
昨日の日記でも少し触れましたけど、欧州連合そのものの将来に影響を与えかねないフランスさんちの大統領選挙であります。メルコジなんていうドイツとフランスの蜜月関係が終わってしまったら、ユーロ通貨ひいては欧州連合そのものは一体どうなってしまうんでしょうね?

 しかし、金融危機は、市場の残酷さに対する極めて根深いフランス人の偏見と、政府の啓蒙的な影響力の必要性を裏づけたようだ。何しろ極左から極右に至るまですべての候補者が、金融市場を攻撃し、富裕層へのさらなる増税を訴えて選挙戦を戦った。

 候補者は皆、互いとの違いを強調したが、外国人である筆者にとって最も印象的だったのは、候補者全員がいかに似ているか、だった。全員がグローバル化と金融を攻撃し、フランスの社会モデルを称賛し、フランスの歴史上の輝かしいエピソードを羅列し、フランスはただの古い国ではなく、世界のモデルだと主張した。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35074

ということで、フランスさんちがその伝統的なポジションに回帰しているそうです。と言ってもまぁ当時は『改革者』と謳われた市場重視なサルコジさんに対する正しいカウンターとして登場したオランドさんの優勢っぷりを見れば、一目瞭然なお話ではありますよね。さすが極東の国の体たらくとは違って、本場の社会党は一味違うぜ。
しかし『共和国の貴族』なんて揶揄される高級官僚出身でエリート街道まっしぐらなオランドさんが金持ち批判をして人気を集めるのは、端から見てて個人的にはものすごい違和感あるんですけどフランス人の考えることはよく解りません。と、思ったけど日本の前回衆院選挙でも似たようなこと思われてそうなのでお互い様かもしれませんね。


ともあれ、これで約30年ぶりの社会党出身の大統領が誕生してしまいそうな雰囲気ではあります。それこそかつてのミッテランさんのように「資本主義と訣別する!」なんて言いだしそうなフランスの現状について。まぁ確かに資本主義の欠陥が謳われる昨今において、「フランスはただの古い国ではなく、世界のモデルだ」なんて言ってしまう構図も理解できなくはないかなぁと。「時代が俺に追いついてきたぜ!」位のことは思っているかもしれません。
やっぱりフランスの伝統と言えば、コルベール主義と統制経済の国なわけだから。そりゃ候補者全員似てしまうのも無理はありませんよね。だからこそかつてのサルコジさんは「変人」扱いだったわけで。おかえりなさいフランス。


そんな、市場やユーロから逃げ出せば自由になれる気がする、なフランスさんちのお話。他人事としては、せめて行く先も解らないまま走り出さないで欲しいと祈るばかりです。