『(民主党の)老人と海』

「魚をとるってことは、おれを生かしてくれることだが、同時におれを殺しもするんだ」


野田第2次内閣改造、消費増税法案の成立ねらう 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
ということで野田さんの第二次内閣改造だそうです。えーまぁなんというか、段々と人が居なくなっていく感が悲しくなるというかなんというか。前回が「最強」だったから仕方ないよね。それでもまぁ今回は民間起用の森本さんという目玉ができただけ大分マシなのかもしれません。多分にアメリカ向けな気がしますけど、しかし防衛相に初めからこの辺りの無難な人を使っていれば今の民主党さんちの苦労の半分くらいは無かったんじゃないかと思うと、日本の安全保障って難しいよねという気持ちになってしまいます。


ともあれ、あの政権交代鳩山内閣そして当時のマニフェストを思い出すと、まぁ随分遠くに来たものだなぁと。そして残ったものは以下略。まるでヘミングウェイ先生の『老人と海』のようですよね。

「ある年老いた漁師が、生涯で一番大きな魚を釣り、浜まで引っ張っていこうとした。しかし魚は鮫に少しずつ食われ、浜に戻ったときには、骨だけになっていた」

かつて「ヨーロッパの父」たるスピネリ先生はこう引用して欧州経済共同体の将来を危ぶんでいたそうですけど*1、しかし本邦を見ると最早危ぶむ段階なんてとうに過ぎてしまっていたオチ。一体なんでこんな事に。


我らが日本の首相たる野田さんを見ていると、なんとなく物悲しい気分になってしまうのはこういう理由がある気がします。敗戦処理といっては身も蓋もありませんけど、民主党が吊り上げた生涯最大の獲物、その最後に残った骨だけを必死に引っ張り続ける野田さん。いやぁ悲しいお話ですよね。

*1:『市場対国家 下』P152