正しい『大衆迎合』の人

政治家は私たちを映す鏡であると。


橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
わざわざ言及するのもアレかなぁとは思うんですけど。先日もネタにしてしまいましたし少しだけ。

 大阪市橋下徹市長は8日の記者会見で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を容認した理由について、「停電のリスクにおじけづいたところはある」と説明した。
計画停電が実施された場合の市民生活への影響を担当部局に検討させたことを明らかにしたうえで、「病院はどうなるのか、高齢者の熱中症対策はできるか。そう考えると、原発事故の危険性より、目の前のリスクに腰が引けた」と述べた。

橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

しかしまぁ変節云々というよりは、こうして見ると最初から最後まで正しく大衆の空気をそれなりに代弁しているのかなぁと思います。それこそ彼を批判していた人の多くが「ポピュリズムだ!」なんて言っていたように、結局ここに至ってもやっぱり彼はそれを代弁しているだけ。
夏本番のタイムリミットも間近で計画停電がこうして現実の選択肢として登ってきた結果、見事に彼は変節してしまった。しかしそれって多くの人が望んでいる解答でもありますよね。原発は嫌だけど、電力不足には不安があるし、でも原発の本格的再稼動には反対している*1。えーいどっちやねん。でもそんな乙女の心のように揺れ動いているのが実際の現状じゃないかと思います。そして一発逆転の(現実的な)対案は、私たちの誰にも思いつかなかった以上、彼にもやっぱりあるはずなかった。そんなモノあったらもうとっくにやっているわけだし。
そんな風に右往左往しているうちに時間切れになってしまったと。じゃあ……しょうがないので動かしましょうか? ――あ、でも、ほんとうは反対なんだからねっ!
かくして原発ではない「本当の幸せ」探しを続ける人たち。青い鳥は一体どこに?
青い鳥症候群の人たちは大変ですよね。見つかるといいですね。何もかも解決してくれるような魔法の杖や、銀の弾丸や、青い鳥が。えーと、僕としてはめんどくさいしお金も掛かりそうなので、当面はチルチルさんとミチルさんの教訓から学べばいいと思っています。


そんな風に揺れる国民の声を正しく代弁している。ただの有権者の声ならばともかく、そもそも政治家としてどうなんだという意見はともかくとして、それでもやっぱり彼は正しく大衆迎合な人なんだなぁと改めて思った次第であります。見たいものを見せている。テレビの人としては素晴らしい才能だと思います。
まさに私たちが望んでいたはずの『市民目線の政治家』として。これまでの市民目線のなかった政治家と違って、一緒に解りやすく悩んでくれた。ありがとう。
でも悩んでくれただけ。