華麗なる夫妻

就任当初には、おいおいオバマさんと不適切嫁の組み合わせなんて大丈夫かよ、と僕も思ってたクチなのでごめんなさいしておきます。


ヒラリー・クリントンが考える「新しいアメリカの指導力」 WEDGE Infinity(ウェッジ)
岡崎先生のヒラリー・クリントンさんの国務長官評について。

 ヒラリー長官の才能とその挙措進退とには讃嘆します。オバマ政権発足後一年間、オバマ大統領がイラン、北朝鮮との直接対決を呼びかけ、ロシアとの関係のリセットを謳い、プラハ核廃絶を訴え、カイロで全アラブに呼びかけている間、ヒラリー長官は、それがすべて国務長官の所掌であるにもかかわらず、全く沈黙を守りました。わずかに、国務省の制度改革について述べ、国連の婦人の地位委員会で発言しただけでした。

 それが、2010年初頭、米中関係の風向きが変わるや否や、1月のホノルル演説を初めとして、アメリカのアジア復帰を、「オバマ政権成立以来の一貫した政策」として唱え続け、遂には、それをアメリカ全体の政策としました。

 ヒラリー長官が、本年の大統領選挙後、来年には国務省を去る意向を既に明らかにしているのは残念ですが、今までのヒラリー長官の出処進退を考えますと、将来について深く考えるところはあるものと推察します。

ヒラリー・クリントンが考える「新しいアメリカの指導力」 WEDGE Infinity(ウェッジ)

概ねベタ誉めであります。まぁ当初は勝手もわからずに日陰のポジションに甘んじていたものの、しかし後半になってきて良い意味での「クリントンらしさ」というのが出てきたのでしょうね。
どちらにしても、当初のオバマ政権の最重要の課題であった「ブッシュ流外交からの転換」という意味では、結果的にはヒラリー国務長官というある種の『劇薬』は成功したと言えるんだろうなぁと。このままダラダラ続けたら「俺が俺が」な性格とされるヒラリーさんがより前に出てきてグダグダになってしまいそうなので良い引き際とも言えるかもしれません。


ともあれ、まぁ当初――というか前回の民主党予備選――から懸念されていた外交ベタというレッテルはこれで払拭することに成功したのかなぁと。ついでに概ね大過なく勤めあげられそうでアメリカ民主党内の信頼もそれなりに回復したのだろうし。となると、本人は否定しているものの*1、次の2016年でもやっぱり有力候補の一人となりそうです。69歳という年齢がネックでありますけど、レーガンさんの持つ大統領の最年長記録も69歳なわけだし、そこさえクリア出来ればまた強力な候補となりそうではありますよね。
アメリカの国内事情なんてぶっちゃけどうでもいい私たち日本としては、今後もますます摩擦が強くなっていく以上、やっぱりそうした対中政策を「解っている人」の方がありがたいのでこっそり期待しておきます。