WTOからWTOへ

ワルシャワ条約機構から世界貿易機関へ。ちなみにタイトルオチです。


ロシアが156番目のWTO加盟国に、バヌアツも正式加盟 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
ロシアがWTOに正式加盟、約20年の交渉経て−加盟国数は156 - Bloomberg
ということでロシアさんがWTO加盟となったそうです。おめでとうおめでとう。目標期限が近づくたびに交渉延期を繰り返して結局20年です。もう永遠に決着しないんじゃないかなんて言われていましたよね。逆説的にそれは関係者の皆さんにとってはそれだけやる価値があったということなんでしょうけども。だから喜んでいるのはロシアの中の人や、それによって利益を得られるロシア以外の人たち、というだけではないんだろうなぁと。


ソ連の崩壊によって冷戦構造が終焉して以来、ロシアを(平和裏に)既存の国際体制に組み込むことは欧米の皆さまの悲願でもあったわけです。ロシア人を西に。ロシアをWTOOECDに。そんな冷戦以後における欧米各国の努力がようやく結実したのかなぁと。
そうやってロシアを名実共に国際社会の一員とすることで、あの不毛な冷戦構造の再来を避けようではないか。特にヨーロッパの皆さんはそうしたことに(端から見ていて半ば行き過ぎではないかと思うほどに)執念を抱いているわけですよね。信用したいけど裏切られたらコワイという彼らの根深いジレンマ。勿論EUNATOも大事だけれど、しかしそんな勢力均衡から一歩先に進んだ「ヨーロッパの平和」はロシア抜きには絶対に実現しない。まぁ概ねその認識が正しいことは歴史が見事に証明しております。
そうした欧米側の思惑の一方で、同時にこの辺はやっぱり『大国』志向の強いプーチンさんのそれと一致した結果なのかなぁと。そこに加入することでロシアの存在感と名声が高まるのならば加入するのもやぶさかではない、とか。
ともあれ、タイトルでも書きましたけど、あのWTOの盟主だったロシアがこうしてWTOに加盟するというのは、まぁやっぱり冷戦時代が完全に過去のものとなったことの一つの象徴的な出来事ではあるのでしょう。


http://japanese.ruvr.ru/2011/05/24/50730199.html
しかしこうした流れの先にあるものを考えると、先にWTOに加盟した中国と並んだロシアは、この流れのまま中国さんを追い抜いていったりするんでしょうか。次の戦争ではロシアは一体どちらにつくんでしょうね? なんて。