モラトリアムの終焉

今日から本気出してくれるといいですね。


オバマ米大統領が勝利演説、「最高の時代はこれからだ」 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでオバマさん大勝利で第一部完であります。おめでとうおめでとう。まぁ構図=支持者分布としては前回とほとんど変わらなかった一方で、ただ単純に縮まった得票数差などを見るとほぼ同数というレベルなので、やはり前回よりもずっと接戦ではあったのかなぁと。
しかし2008年の時も「まぁどっちが勝っても経済危機に奔走する羽目になるよね」と言われていたはずが、結局2012年の今回もまたご覧の有様であります。4年の年月が経っても何も変わっていない辺り改めて現状の経済危機こわいと思ってしまいます。かくして、しばしば指摘されているように、どちらにしても当面の焦点は『財政の崖』ということに。


――で、まぁそれはそれとして、個人的な関心の方向性としてはオバマさんは外交政策を一体どうするつもりなんだろうなぁと。もっと言うと、「核なき世界」で「ノーベル平和賞受賞者」で「合衆国大統領」たるオバマさんは再選後に一体どうするつもりなのかなぁと。
これまでは選挙モードということで、それはもうあからさまに公然と無視と先延ばしを続けてきたシリアやイランやその他諸々について。
そのこと自体が十分アレ――前回日記の表現を借りれば米国大統領選挙制度の致命的な欠陥の一つ――なんですけども、けど4年毎の恒例行事だから仕方ないよね。ゴードン・ゴールドスタイン先生なんかはベトナム戦争の教訓として「政治は戦略の敵である」なんて身も蓋もなく仰っていましたけども、しかしそこから何も成長していない人たち。



『米国大統領』という、おそらく世界で最もパワーがあると思われる一方で、同時に世界で最も諸問題にどうにかする責任と義務があると思われてしまうポジション。こうしてモラトリアムが終わった以上、良くも悪くもまたその解決に乗り出していくんだろうなぁと。
ちなみに個人的にオバマさんのスピーチで好きなのが、ノーベル平和賞受賞演説のそれなんですよね。

 そう、平和を維持する上で、戦争という手段にも果たす役割があるのだ。ただ、この事実は、いかに正当化されようとも戦争は確実に人間に悲劇をもたらすという、もう一つの事実とともに考えられなければならない。兵士の勇気と犠牲は栄光に満ち、祖国や大義、共に戦う仲間への献身の現れでもある。しかし、戦争自体は決して輝かしいものではない。決してそんなふうに持ち上げてはならない。
 両立させるのは不可能に見える二つの事実に折り合いをつけさせることも、私たちの課題なのだ。戦争は時として必要であり、人間としての感情の発露でもある。

http://www.47news.jp/47topics/e/137313.php

もちろん反発する人もいらっしゃるでしょうけど、しかし、現在見られるあのシリアの惨状を見るとこうした言葉について色々考えてしまいます。
オバマさんの「戦争と平和」について。一体どうするつもりなのか生暖かく見守りたいと思う次第であります。