よくある『代替案』案件

さすがに米国大統領がそれを持っていないのは許されないよね。



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41518
ということで方向転換を迫られつつあるオバマ大統領であります。結果として失敗したのは今更言っても仕方ない所ではあるので、今後の焦点はそれを「どのようにして」取り戻すのか、という辺りが概ね当局の皆さん共通の現状認識になっているのかなぁと。まぁこれってちょうど4年前辺りにも見た気がする風景なんですけど。イラク戦争で負ったダメージを如何にして管理可能な所でコントロールするかというあの時と、イラク撤退=シリア放置で負ったダメージを如何にして管理可能な所でコントロールするかという今。
あの時にしてもこの時ににしても、結局はアメリカに振り回される世界と言うことで何も変わっていないんだなぁと生暖かい気持ちに。やっても困るし、やらなくても困る。故に、世界にとってアメリカは重要すぎます。

 バラク・オバマ大統領の「ヒポクラテスの誓い」、すなわち「ばかなことはするな」という言葉で表現される外交姿勢は、同氏が所属する民主党内でもばかにされている。イラクイスラム主義者の進軍やウクライナの親ロシア派分離主義者の武装集団によるミサイル発射はすべて、オバマ氏の慎重姿勢が間違っていることの明確な証拠だと受け止められている。

 米国が自制する時代は終わりつつあるのだろう。オバマ氏が巻き返すとしたら、残された時間はあと2年だ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41518

シリアやイラクウクライナ、あるいは(既に事実上終結した)ガザのそれを見ても結局『交渉』が役に立たなかったのは明白ですよね。21世紀という現代に生きる進歩的な私たちは、これだけの危機の前に、結局は話し合いで何も解決できなかった。別にそれが常に無力であるわけではないものの、しかしそれが常に効果的であるわけでは絶対にない。
――そしてそれと同じくらい「アメリカが何もしないこと」も、危機の鎮静化にはまったく役に立たず、むしろ更なる炎上の要因にすらなった。
さて、こうした現状の上で問われているのは、ならばこれからどうするのか? というお話なわけですよね。オバマさんの代替案について。上記イギリス高級紙であるFTさんなんかはアメリカの更なる介入が必要だと言っている一方で、より直接的な軍事介入や、あるいは「更なる」傍観こそを望む人もいらっしゃるでしょう。



国連に代表されるような、戦後の国際秩序維持の根幹にある「世界平和(=大規模戦争の抑止)」を如何にして実現するか。

    • これまでと同じく僅かな希望にすがりながら無駄と知りつつ『交渉』を訴え続けるのか?
    • あるいは軍事的パワーを投入することで強制的に終わらせるのか?
    • それとも、最低限の人道的援助と拡大阻止を続けながら、当事者たちが疲れ果てるまで殺し合いを続けるのを待つのか?


個人的には三番目が最もコストパフォーマンスがよくてお勧めではあります。実際オバマさんの現状の限定的イラク空爆のそれを見ていると似たような感じかもしれない。
――でも、シリアはそうこうしている内に二年半以上継続し、もう17万人以上も死んじゃったんですけど。
無関係な第三者である世界中の私たちにとって、それは安い代償だったのか否か。ガザはどうにかこうにか終わってくれましたけども、残るウクライナイラクでは「こんなに」死ななければいいですね。


がんばれオバマさん。