ふぁんとむおぶこいずみ

次こそは4年間なんて贅沢言わないのでせめて丸2年くらい首相もって欲しいなぁ日記。


『地滑り』大国ニッポン - maukitiの日記
ということで皆さんご存知のとおり、一度やらせてみたら舞い上がりすぎて屋根まで飛んではじけて消えそうな民主党ではありますけども、まぁそれはもう過去の話なので切り捨てるとして。今回一連の政権交代劇で証明された重要なことの一つは、自民党だろうが民主党だろうが『短命政権』は変わらなかった、ということだと思うんです。
その点からすると、民主党にやらせた意味はあったかなぁと。青い鳥はどこにも居ないことを見事に証明してくれた。


こうした構図を振り返ると、やっぱりその元凶を作ったのは――もちろんその前提には小選挙区制度があるわけですけども――あの小泉さんの成功物語だったのだろうなぁと。
しばしば、政治家の皆さん方へ「小泉劇場」の模倣を指摘する声がありますけども、しかしそれって多分に私たち有権者自身からの希望でもあったんじゃないかと。派閥間の取引が支配していた政治プロセスからの――実態はともかくとして――脱却を演出して見せた小泉さん。その物語を多数の人びとが意識から振り切れなかった故に、あのようなカリスマ溢れる魅力的な指導者こそを待望するようになってしまった私たち。実はそんなもの例外に過ぎなかったというのに。
かくして、自分たちの手で選んだはずの首相を「思っていたのと違う!」と幻滅しチェンジを繰り返した挙句、今の首相は選挙を経ていないではないかという言説がまかり通ってしまう。そもそも最初にそれを選んだのは私たち自身であったことを忘れて。
一年周期で取り替えるなんてカレンダーじゃあるまいし。
やっぱり彼は『特別』であって、自民党の後継者たちにも、そしてやっぱり民主党にもそんな人は見つからなかった。そんな身も蓋もない現実。


結局のところ、小泉さん以後、明らかに短命政権が続いてしまったのは、やはりある種の期待感の裏返しでもあったのだろうと思います。あの熱狂をもう一度。そんな風に空しい空回りを続けながら、しかし何処を見渡しても「古い政治家」しか見あたらない。いやぁ疲れるというか、悲しくなるお話です。初めから何も知らなければ幸せだったかもしれないのにね。
それでも、もういい加減悟るべきではないのかと。もうあれから7年も探し、6人を交代させ続けてきたんだから。
その意味では、今回の投票率小泉劇場以前の低水準60%前後にまで下がったのは、いい加減皆さん「カリスマ型指導者」を諦めてくれたという一つ指標じゃないかと少し思います。再び劇場以前のクソつまらない伝統的な日本政治の風景へ。


ちなみに今回の新政権を取り巻く環境については、安倍さんは前回の失態をさすがに忘れていないだろうし、更には自民党上層部も大勝に浮かれているようには見えないし、ついでに言うと最も重要な「国民の期待値」もそこまで高くないだろうし、ということでそこそこ期待しております。安倍さんがまた変な所でコケなければ。
ここで上手くいけば次にも期待が持てます。その一方で、ここでいきなりコケたらまたこの4年もダメだろうなぁとも。


いい加減そろそろ『小泉さんの幻影』を振り切って、地に足の着いた長期政権を作ってもらいたいものであります。それこそが同時にまた「今後の4年間を占う重要な選択」という点で、真摯な有権者をも育むことになるだろうから。
みなさんはいかがお考えでしょうか?