「人々にとって最も重要な問題について、全ての陣営は意味のある妥協をする心構えがなければならない」

今日のお前が言うなニュース。(笑)が後ろに付いててもおかしくない。



「エジプトの各政治勢力は互いに譲歩を」、米国務長官 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでヨーロッパはさて置くとして、重要な問題である『アラブの春』の地でのケリー外交のスタートであります。まぁ前任者のヒラリーさんが想像以上にまともであり、かなり好評だっただけに色々とハードル高くて大変なのだろうなぁと。特に本邦としては、対中国という問題を抱えている以上、前回ヒラリーさん同様是非ともがんばって頂きたいと願う所ではあります。

【3月3日 AFP】エジプトを訪問したジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は2日、カイロ(Cairo)でエジプトのムハンマド・カメル・アムル(Mohammed Kamel Amr)外相と会談した。会談後の共同記者会見でケリー国務長官は、深刻な経済危機から脱するための援助を受けるには意見の一致が必要だとして、対立が深まっているエジプトの各政治勢力に対し、相互に譲歩するよう促した。

 共同記者会見でケリー国務長官は、「エジプトの人々にとって最も重要な問題について、全ての陣営は意味のある妥協をする心構えがなければならない」と述べた。エジプトでは、主にイスラム主義者からなるムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領側の勢力と、モルシ大統領が経済的・政治的課題に十分対処できていないとする幅広い野党勢力の対立が深まっている。

「エジプトの各政治勢力は互いに譲歩を」、米国務長官 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

でもまぁ、正直これは言っている本人さえも苦笑いにならなかったのかと心配になってしまいますよね。絶対聞いている方も思ったに違いありません。「妥協ができずに崖から落ちた」お前らが言うなんて。
もちろん言っていることは限りなく正論そのものであり、それこそ生まれたばかりな民主主義国家であるエジプトにとっては適切なアドバイスであるのでしょう。民主主義政治を続ける上で最も重要なことの一つ――妥協は大事。
Capitol Hill is falling down, Falling down, Falling down. - maukitiの日記
しかしそれでも民主主義国家の指導者的ポジションにあったアメリカがあのザマだというと、まぁ説得力の有無というとても身も蓋もない問題が出てきてしまいますよね。お前がそれを言うのかと。


この辺りの構図としては、経済問題を起因として国家を超えた『地域共同体』の説得力が一気に萎んでしまった欧州連合と似たようなコースを辿っているよなぁと愉快な相似にくすっとしてしまいますよね。ただ欧州連合のほうはかなり他人事なので笑っていればいいですけども、しかしこのアメリカ政治の惨状についてはそもそも他人事ではないし、そしてその惨状の巻き添えを食らう同盟国としては、正直笑えないよなぁと。


是非ともケリーさんには同じことを自分の国のほうでこそ、同じことを言ってもらいたいものであります。得意のフランス語でそれを言えば共和党からの注目を集められるし*1、ウィットに富んでいていいんじゃないかな。

アメリカの人々にとって最も重要な問題について、全ての陣営は意味のある妥協をする心構えがなければならない」

がんばれケリーさん。