「過度の一般化」も「過度の例外視」もよくないよね、という極当たり前のお話

誰が、どこから見て、「アジアから孤立する」ことになるのか?


Japanese Public’s Mood Rebounding, Abe Highly Popular | Pew Research Center
「好感触8割」日本への東南アジア諸国の感情は良好、ただし韓国・中国は… - ガベージニュース
ということで面白い世論調査があったそうで。

今調査はオーストラリア、中国、インドネシア、日本、マレーシア、パキスタン、フィリピン、韓国に対して18歳以上を対象に、2013年3月から4月(一部の国では3月中)にかけて行われたもので、各国の有効回答数は800〜3000人強。調査様式はRDD形式によって選ばれた電話(固定・携帯含む)による通話インタビュー(各国の主要言語を使用)によるものだが、一部の国では対面調査方式が採用されている。また各国の事情に即したウェイトバックが実施されている。

「好感触8割」日本への東南アジア諸国の感情は良好、ただし韓国・中国は… - ガベージニュース

以下、適当に一部抜粋。


日本に対しての好感度調査。

調査国 好意的 否定的 わりとどうでもいい
マレーシア 80% 6% 14%
インドネシア 79% 12% 9%
オーストラリア 78% 16% 6%
フィリピン 78% 18% 4%
パキスタン 51% 7% 43%
韓国 22% 77% 1%
中国 4% 90% 6%

まぁ恒例のBBCのそれと似たような結果ではありますよね。


日本の1930~40年代の軍事行動の謝罪に関して。

調査国 足りない 十分 謝罪の必要自体ない わりとどうでもいい
マレーシア 30% 22% 10% 38%
インドネシア 40% 29% 6% 25%
オーストラリア 30% 29% 26% 16%
フィリピン 47% 29% 19% 5%
韓国 98% 1% 1% 1%
中国 78% 4% 2% 16%

こちらに関しては中々興味深いなぁと。


まぁ、案の定というべきか、例の二国はあまりにも分かりやすく突出していますよね。特定のアジアの国々。
――ただ、だからといって、当然の話ではありますが「それ以外」の国々ににまったく不満がないわけでも絶対にない、ということも私たち日本は理解しておかなければいけないのでしょう。
一部の国々の「突出した不満の高さ」に殊更に注目することでそれを一般化しようとする試みが誠実なやり方ではないように、逆に彼らの「突出した不満の高さ」を殊更に例外視することで不満を持っているのは例外たる彼らに限る、なんて開き直ることも同じくやっぱり誠実なやり方ではないと言えるわけで。
この世論調査から読みとれるのは、そんなごくごく平凡な結論であるのだろうなぁと。
その意味で私たちはやっぱり、歴史問題に際して、節度を持った対応をしなければならないのでしょう。一部の相手が過激なことを言っているからといって、自分たちまでもがそれと同じ地平に立っては何の意味もない。幸いなことに、そのバランスは現状では概ね少数派の反発にとどまっていると言っていい。少なくともこの現状を出来る限り維持していくことが重要なのだろうなぁと。
彼らの態度が世界から見られているように、私たちもまた、彼らに対する態度が見られているわけだから。相手がそうしているからといって、こちらも彼らのレベルに合わせた対応を採るのもあまり上手いやり方ではありませんよね。それこそ、この世界に居るのは彼らだけではないんだから。