It's the government, stupid

わかっちゃいるけど実現できない。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39952
ブラジルさんちに並んで『未来の大国』と名高いアルゼンチンさんちの苦悩。

 だが、さらに大きな危険は、新興国に潜んでいる。新興国では、繁栄へ向かう途切れない歩みが、止めようのないものだと見なされ始めている。あまりにも多くの国が、コモディティーの輸出に躍起になりながら、国内の制度機構をなおざりにしている。中国での原材料の需要が落ち込んでいる今、新興諸国は、アルゼンチンと全く同じ弱点をあらわにするかもしれない。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39952

まぁ『離陸』するだけなら簡単なんですよね。それこそ使い捨てロケットのようなモノだろうと、飛ぶことだけならできるわけで。でもいつだってそんな飛行は、航海は、歩みは、つまり経済の成長過程というのはそんな穏やかな時期ばかりじゃない。例えば乱気流や、嵐や、坂道のような『危機』に巻き込まれることは必ずあるのです。
問題なのは安定した繁栄という黄金期が止まってしまった際に、一体『政府』がうまくリスク管理を出来るかということにかかっているわけで。どうにかこうにかそうした危機管理を可能とした国々こそが一般に成功国とされるし、逆にそれまでは上手くいっても毎回どこかでコケてしまう国はいつまでたっても離陸できない。


本来であれば正しく機能する『制度』こそが経済的繁栄の第一歩でもあるんですよ。人びとの繁栄を望む為に必要な「財産権の保護」の為の「法律の順守」の為の「司法制度の確立」――つまり纏めて真っ当な『政府』の存在こそが。
ところが繁栄の最初の一歩を、それ無しで歩み始めることができてしまった、とっても幸運な国たち。その幸運故に、彼らは必ず失敗する。
やっぱりそんな幸運は永続することもなく、こうして資本主義経済における循環の必然――需要不足など――でもある不意の危機が迫ると、途端に何もかもがご破算になってしまう。いやまぁそもそも土台が腐っているからその上に何を積み上げても無駄なのだ、なんていうと身も蓋もありませんけど。経済的不安定に突入すると、それもまでもあった腐敗や汚職や経済格差やポピュリズムなどの不満を経由することで、政治的不安定と社会的不安定まで呼び起こし、その道半ばで倒れていく新興国たち。


おそらく近い将来中国さんちも直面するのはこうした危機であるのでしょう。資本主義を上手く取り入れた彼らはどうやってその必然の景気後退期を、民主主義政治ナシで危機を乗り越えるのか。
がんばれ新興国たち。