唯一絶対の数字がそこにあるから

数字なんかで自分を語って欲しくない、でもそれ以外で一体どうやって語れば?


ゲーム開発者「ゲーム遊ぶ側がなんで売り上げを気にするの?」 : ガハろぐNewsヽ(・ω・)/ズコー
まぁ『買った側』としてはごくごく普通の心理ではあるんですよね。つまり、株などの金融商品ではよく言われるお話ではありますが、買った側としては当然その商品がより値上がることを期待するわけであります。(もちろん中古市場における稀少性などの場合を考えるとそう単純な話ではないんですが)それとまったく同じように、ゲームを買っても心理状況としては似たところに行き着くのです。代償を払い自らのモノになった商品は、やっぱり以前よりも価値が上がって欲しい。それはまぁ逆説的に言うと、同時期に自分が買わなかった別の商品が人気が出ることへの恐怖でもあります。もし、そこで別の商品の方がより人気があったとすれば、それを選ばなかった自分の判断基準とは一体なんなのか、という思いが生まれてしまうから。「まぁそんなの放っておけよ」と言ってしまっては身も蓋もありませんけども、でも仕方ないよね、だって私たち人間はいつだって相対評価することでしか生きられないから。
かくして「現状の選択肢こそが最善であるべきだ」という地平に至ってしまう私たちの内心。まぁゲーム程度ならば可愛いものでありますが、これが株取引になると『保有効果』として現状維持にしがみついたまま損切りできずにどんどん損失が膨らんでいってしまう。株コワイ。




さて置き、所謂『売りスレ』が人気なのって別にそういう理由だけじゃないんですよね。そこにはかなりの――下手すると最大勢力ですらありうる「別に商品は買ってないけど、とりあえず何か言いたいけなしたい」という人たちが集まってしまうからなわけであります。
その意味で、売り上げの『数字』をネタに話が出来るというのは実はとても稀少な場なんですよね。だってそれは評価の高低が限りなく解りやすいから。数字が多ければ多いほど偉いし、逆に少なければ少ないほど嘲笑の対象となる。これが絶対的な数字によらない抽象的な審美基準だったりすると、それはもう議論が難しいわけで。
「面白さ」や「つまらなさ」を説得力のある形で語るのは難しいけれども、しかし「数字の大小」だけなら誰だってできる。それこそ購入者でない野次馬でさえも参加が可能だったりする。


「何故そこに集まるのか?」「そこに唯一絶対の数字があるからだ」


いやぁ売りスレって業が深いですよね。