相互依存による表裏一体の帰結

ギリギリなので縮小日記。


CNN.co.jp : 中国の貿易総額、米国抜き世界一へ 初の4兆ドル突破
そういえば前々から言われていた中国さんちの貿易総額の世界一位がとうとう去年2013年の段階で達成されちゃうそうで。ついでに過去最高額。まさに名実ともに、史上最大の貿易国家というのは間違いないのでしょうね。

貿易面で米中間の相互依存は深まっており、中国との貿易の規模はカナダとほぼ同じ水準となっている。
中国は昨年、米国を抜いて原油の最大輸入国にも浮上していた。

CNN.co.jp : 中国の貿易総額、米国抜き世界一へ 初の4兆ドル突破

まぁだからこそ、今後起こるだろう米中の対立は――それが良いか悪いかは別として――冷戦時代の米ソの時とは違った関係性になるだろうとも予測されているわけですよね。だってあの時は、政治だけでなく経済においても、両者は隔絶していたわけだから。
ところが現在の米中関係はそうではない。上記リンク先にもあるように相互依存は深まっていると言っていい。


じゃあそれが100%いいことなのかというと、悲しいことにそうでもないんですよね。それこそ私たち日本もアメリカと近くは80年代後半の日米貿易摩擦で色々あったりしたし、そして80年前には「あれほど」対米依存な経済状況だったにもかかわらず、当時の私たちは戦争にまで至ってしまったわけで。まぁこの辺は散々書いてきたエンジェルさんの経済の相互依存という論理の帰結=「故に戦争はあり得ない」と、表裏一体の結論ではあります。
――つまり、あまりにも依存が強すぎる故に(ここで手を切られたら)もう戦争しかない、という所にまで。いつだってこうした相互依存というのはポジティブな関係を持つのと同じく、全く逆にネガティブな相互不信というところにも行きやすいんですよね。特にそれが不均衡な形であればあるほど。
その意味で、現在の米中がまったくイーブンな関係の下に、現状のような経済関係が築かれているのかというと、やっぱりそうでもない。おそらく、こうした相互依存が深まれば深まるほど、中国さんちはアメリカ主導のルールに対して危機感を抱くようになっていくでしょう。そんな相互依存のなかった時代よりもずっと、彼らは『アメリカの横暴』をより脅威に感じるようになっていく。冷戦時代のソ連のようにまったく違う世界とルールで生きているわけではないからこそ。


まぁそれがどうなるかについては、……がんばれ偉い人たち。