あとは惰性でダラダラと現状維持が続くだけ

ザ・倦怠期。



EU副議長「我々はヨーロッパ合衆国となることを望んでいる」海外の反応|暇は無味無臭の劇薬
むりそう。そして案の定一般の人たちからボコボコにされる構図。そりゃそんな反応になるよね。一般に賛成比率の高い国と言えばベルギーやオランドなど、あのヨーロッパの『道』国家の辺りで、基本的に大国――英仏独伊辺りはほぼ反対と言って差し支えなく、中東欧辺りの新加盟国家の皆さんも今尚記憶の新しい独立の達成という歴史を考えればそれに賛成することもないのだろうなぁと。
――じゃあだからといって反対がイコールで欧州連合の終焉へと繋がるのかというとそんなこともなくて。前にも後ろにも進めない欧州連合、という辺りが正しい現状認識ではないかと個人的には思っています。

EU幹部「我々はヨーロッパ合衆国となることを望んでいる」


<記事要約>

今年の春に行われる欧州議会議員選挙の期間に有権者はヨーロッパ合衆国に対して反対なのか賛成なのかを決定しなければならないと欧州委員会副議長は発言しています。

ブリュッセルの幹部の一人は欧州連合からヨーロッパ合衆国へと移行するためのキャンペーンは欧州懐疑主義者に対する強力な切り札になると語っています。

欧州委員会副議長であるViviane Redingは今春の欧州議会議員選挙において「真の政治的連合」を争点とすることを呼びかけています。

「政府と2議院(欧州議会と各国の「上院」)で構成されたヨーロッパ合衆国を作り上げる必要がある」と彼女は発言しています。

EU副議長「我々はヨーロッパ合衆国となることを望んでいる」海外の反応|暇は無味無臭の劇薬

ともあれ、でもまぁこの副議長さんがそう言いたくなる状況というのも理解できなくはないんですよね。何度かこの日記でも書いてきているように、次の欧州議会選挙ではそれはもう懐疑派が、これまでで最も大きな票を集めそうな情勢であります。争点と言えば欧州連合云々ですらなく、それは各国の現政権への不満票でしかないんですが。だからこの発言って危機感の表れでもあるんですよね。そんな不毛な投票基準をどうにか抑制したい。
むりそう。
不利な情勢にあるからこそ敢えて強い言葉を使ってテコ入れしようとしている悲しい努力、というとまぁ身も蓋もありませんけど。しかしそんな欧州官僚の理想主義的な大きなビジョンとは裏腹に、ほとんどのヨーロッパの市民にとってはそんな努力なんて文字通り無駄な努力でしかないとも思われているのがこの両者の意識差に表れているのでしょう。


ラトビアがユーロ導入、18カ国目| Reuters
今年の初めにユーロにそれでも敢えて加盟したラトビアの行動なんかを見れば一目瞭然なように、統合の推進には強いモチベーションが必要なわけで。ラトビアの場合は、それはもう典型的に「ロシアの恐怖」という国家安全保障上の脅威があったからこそ、色々と問題が表面化しているユーロにそれでも予定通りに加盟した。
で、翻って現在の欧州連合加盟国にそんな恐怖感なんて、幸か不幸か、最早ない。
彼らはもう最低限の目標であった「戦争のないヨーロッパ」というのは達成してしまっているんですよね。確かにもうヨーロッパで戦争が起こるなんてことはなく、おそらく世界で最も可能性の低い場所へと大逆転した。故にもう単純にメリットデメリットで解決できる段階は終わってしまっているのです。残るは愛国心のような『感情』の問題だけ。まぁいつだってそんな感情面こそが最大の難関でもあるわけですが。


我らが祖国をアメリカにあるような『州』のように見なせるか? 
そしてヨーロッパをこれまでの『国』のように感じることができるのか?


むりそう。