色彩を持たない革命と、ウクライナ最悪の年

タイトル考えただけでほぼ満足な日記。


ウクライナ大統領と野党が合意、大統領選前倒し| Reuters
ウクライナ政府、反政権側と「暫定的な和解」と発表 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでここ3か月ほど続いていたウクライナさんちの大騒動ではありますが、ようやくヤヌコビッチ大統領さんも折れる様子を見せたそうで。

キエフ/ベルリン/モスクワ/ロンドン 21日 ロイター] - 反政権派と治安部隊の衝突で揺れるウクライナのヤヌコビッチ大統領は21日、事態収束に向け、欧州連合(EU)の仲介の下で野党3党の代表と合意書に署名した。

ヤヌコビッチ大統領は、大統領選挙の前倒しや挙国一致政府の発足、大統領権限を制限する憲法改正など一連の譲歩に応じた。

署名を受け、議会は大統領の権限を制限する2004年憲法を復活させる案を可決するとともに、刑法の改正案を承認。これにより、職権乱用罪で服役中のティモシェンコ前首相が釈放される可能性も出てきた。

ウクライナ大統領と野党が合意、大統領選前倒し| Reuters

当初こそ、オレンジ革命の二の舞じゃねーかこれ、とか思ってましたけど最近ではもうそんなレベルですらなかったっていう展開だったので、まぁいい加減妥協しようというインセンティブは政権側だけでなく野党側にもやっぱりあったのでしょうね。もうデモとかそういうレベルではなく、内戦一歩手前というのはそれなりに恐怖感をもって認識されていたと。
【悲報】ウクライナ紛争で錘投石機が現役 : ガハろぐNewsヽ(・ω・)/ズコー
各種写真なんかを見てるとどう見てもやり過ぎ感がハンパなかったわけだし。もうここまで来ると前回のように『色』なんてつけてる場合じゃないなぁ。


ともあれ、あの『オレンジ革命』と比較して何故今回のウクライナさんちはここまでなってしまったのか正直疑問だったんですが、少し前のニュースで単純に政権側と野党側二項対立というよりは、暴動を煽りまくる第三勢力があったそうで。
流血のウクライナ反政権デモ、過激化の裏に謎の右翼集団 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News

【1月24日 AFP】ウクライナで昨年11月から続く親ロシア政権に対する抗議デモは19日、デモ隊と治安部隊との流血の衝突へと激化した。この衝突の背後にいたのは2か月にわたるデモを率いてきた野党指導者ではなく、これまで知られていなかった「右セクター(Pravy Sektor)」と呼ばれる極右連合だった。

 首都キエフ(Kiev)でデモを展開してきた野党の指導者3人は19日、突然発生した衝突に驚き、政府当局を非難する一方、暴力的な衝突からは距離を置く姿勢を見せた。

 この衝突で主要な役割を果たした謎めいた集団「右セクター」は、ビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領の「占領」政権の転覆を公然と目標に掲げ、そのためなら暴力の行使も辞さないと主張している。

流血のウクライナ反政権デモ、過激化の裏に謎の右翼集団 写真8枚 国際ニュース:AFPBB News

ぶっちゃけてしまえば親EUでも親ロシアでもない極右な民族主義運動でもあったのだと。この辺は、危機に乗じてギリシャなどをはじめとして反EUで反移民などを掲げる過激な人たちが、現在のヨーロッパで珍しい風景なのかというとそうでもありませんよね。結局今回のヨーロッパとロシアの距離感を巡る騒動は、こうした人たちにものすごく都合のいい状況を提供することになってしまったと。
この辺はシリアに近い構図に陥りつつあって危険な兆候なんですよね。(国家の一体性など)多少の犠牲「勝利」の為にはどうでもいい、という人たちが多数派になると、加速度的に対立と暴動は悪化していく。ウクライナは果たしてそんな地平にまで辿りついてしまうのか否か。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40004
その意味で、このタイミングで政府が譲歩し、また野党側が暴動から手を引き始めたのも頷けるお話ではあるんですよね。これ以上先に進んだら、おそらく『選挙』の実施さえ危うくなってしまうから。
しかしそれでも、妥協合意の行く末を決めるのは、上記集団の動向次第でもあるのだろうなぁと。


がんばれウクライナ