しかし オバマは まわりこまれてしまった!

イラクアフガニスタンのように逃げ出せればよかったのにね。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40093
へーパパブッシュさんの『チキンキエフ』ですって。懐かしいネタではありますよねぇ。まぁ今になってあの風景を思い出すと、このウクライナにしろ少し前の中東にしろとりあえず「民主主義煽っとけ」なノリばっかしな現在と比べると色々と考えさせられてしまうお話ではありますよね。おそらく現在あんなこと言ったら保守派どころか、リベラルからも非難轟々になりそうです。あの時代から私たちは進歩しているのか否か。

 従って、残るのは外交だ。オバマ氏は、英国のチャーチル元首相が残した「戦争をするより長々と議論する方がまし」という言葉を自身の哲学の土台に据えている。確かによいアプローチだ。だがオバマ氏の外交政策の実施状況は、よく言ってもまあまあだ。もっともなことを言うものの、その後の実行がほとんど伴わないということがあまりにも多いのだ。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40093

なんという身も蓋もない指摘。こうして考えてみると、とりあえず『撤退する』という選択肢があったイラクアフガニスタンはむしろオバマさんにとってはあれはあれで実は都合のいい状況でもあったのだろうなぁと今更ながらに思ったりします。つまり、少なくともあの時はとにかくにも米軍を撤退させるという『実行』が伴っていたわけだから。
何もできずに傍観する、という状況に陥らずに済んでいた。ところが初めから何もなく、一からその行動を立脚しなければならなかったシリアやウクライナでは、まぁ見事に前にも後ろにも進めないオバマさん。逃げ出すことすらできやしない。
結局のところ、オバマ外交というのはこういう所に行き着いてしまうのかなぁと。マイナスをゼロにまで戻すことはできても、しかしそこからプラスに持っていくことができない。あるいはそもそも――国内政治優先の為に――やる気がない。




ちなみにそんなオバマ外交について、上記FTさんちよりももっと辛口なのがワシトンポストさんで、
President Obama’s foreign policy is based on fantasy - The Washington Post
夢みたいなことばっか言ってないで戦わなきゃ現実と、と言われているような感じでまぁとても愉快ではあります。

Unfortunately, Russian President Vladimir Putin has not received the memo on 21st-century behavior. Neither has China’s president, Xi Jinping, who is engaging in gunboat diplomacy against Japan and the weaker nations of Southeast Asia. Syrian president Bashar al-Assad is waging a very 20th-century war against his own people, sending helicopters to drop exploding barrels full of screws, nails and other shrapnel onto apartment buildings where families cower in basements.

President Obama’s foreign policy is based on fantasy - The Washington Post

オバマさんの軍事力に依らない『21世紀型外交』もいいけど、でもそれって古き良き軍事力を頼みに『20世紀型外交』を行うロシアや中国やシリアには通用してないよね、というあまりにもあんまりな指摘。逃げたくても逃げられない米国大統領の悲哀。


がんばれオバマさん。