アジアの虎たちが牙を研ぐ日

しかし今度は「何を」抑制すればいい?


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40365
昔ながらの軍拡競争まっただなか。

 欧米が軍事支出を減らしている時にアジアで軍備増強が起きているのは、ある程度は急成長地域に力がシフトする「自然な」変化だ。経済国は成長するにつれ、自国の防衛力を近代化させるものだ。同様に中国は、ブラジルからの鉄鉱石であれ、スーダンからの石油であれ、原材料輸入への依存度が高まるにつれて、死活的なシーレーンの管理・支配を米国に任せたがらなくなっている。

 だが、アジアでの軍備増強には、別のもっと気掛かりな側面がある。これは、オーストラリア国立大学のデスモンド・ボール教授(戦略研究)が「作用・反作用の力学」と呼ぶものだ。有り体に言えば、昔ながらの軍拡競争が始まっているということだ。

 研究者で南シナ海に関する新書『Asia’s Cauldron』の著者であるロバート・カプラン氏は、これを「この数十年間で一流メディアで最も過小報道されたニュースの1つ」と呼んでいる。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40365

まぁ上記リンク先でも「自然な」変化とあるように、確かにそれは経済成長による必然の流れの一つではあります。大望を抱く新興国家がやがて必ず欲しがるもの。軍。まぁ戦後日本では頭から否定されがちなお話ではありますが、それは権力者たちというだけでなく、国民たちもまたそんな洗練されたカッコイイ軍隊を望む要素も少なからずあったわけで。各国でおこなわれる、所謂『軍事パレード』もそういう意味もあったりする。
世界でも最も経済成長著しいアジアの地でそうした流れが起きるというのは、仮に中国を抜きに考えてもまぁ解らないお話ではありませんよね。
――いわんや、中国という存在がある現在をや。


この「昔ながらの軍拡競争」が始まっている現在について、さて、一体私たち日本はどうすればいいのでしょうね?
まさか軍縮会議なんてこと、あまりにもフラグが立ちすぎてやる気も起きないし。ついでに言えば、もう昔のように『戦略兵器』であった戦艦やら核兵器やらあっても、しかし現代世界においてそのような象徴的な兵器があるわけでもなし。
法は剣より強し、は三度目の正直となるか? - maukitiの日記
先日の日記でも書きましたけど、国際法や国際機関の信頼性が「ますます」低下していく現在、このような素朴で身も蓋もない軍拡競争というのは止められないのだろうなぁと。昔から右にも左にも「アジアの連帯」を唱える人はいらっしゃいましたけども、結果として21世紀のアジアの姿――それこそ世界の核保有国の過半数がこの地に集まっているという事実――はまぁ色々と愉快なお話ではありますよね。


がんばれアジアの人たち。