ダウンシフトできない多くの私たち

鶏と卵のようなお話。


裕福なその日暮らし層が存在する! という発見で、不況対策が変わる? 日雇い労務者ではなく、中流を救え! - Market Hack
まぁこの辺はむしろケインズさんのお言葉を思い出してしまう構図ではあるかなぁと。

これは「すげー発見!」です。


なぜならこれまで不況対策をやるにあたっては、日雇い労務者とかの、貯蓄が全然無い低所得者層をターゲットにして、例えば道路工事のようなカタチで行われるのが常識だったからです。

その背景にはミルトン・フリードマンが「裕福層にお金を渡しても、彼らは渡したお金をすぐに全部、消費には回さない。だから不況対策の効果が薄れてしまう」と論じたことが影響しています。

Well, well, well……

どうやら間違っていたようですな、フリードマンさん!

実は裕福層にもその日暮らしをしているヤツはゴロゴロ居るというわけで、これは僕自身の生活そのものなので(笑)すんげー説得力あるっつうか「よくぞ言って呉れましたッ!」という本音ポロリ状態になっておるわけです。

すると……だぞ、不況対策は、おれっちみたいな中流の「名も無い群衆」のポケットに札束をねじ込むようなやり方が、最も効果的だという結論になるわけです、ハイ。

裕福なその日暮らし層が存在する! という発見で、不況対策が変わる? 日雇い労務者ではなく、中流を救え! - Market Hack

故に私たちがこれほど一生懸命に働く理由の――全てではないにしろ――その一端でもあるのかなぁと。生活をより豊かにする為に働き、そしてその豊かな生活の維持の為に更にもっと働かねばならなくなっていく。自転車操業と言っては身も蓋もありませんけども、しかしそれでもある種の『勤労意識』の表れでもありますよね。
私たちは仕事の成功=人生の成功であると、信じている - maukitiの日記
この辺は先日書いた日記とも関連するお話ではあるんじゃないかと。
特に消費社会バンザイなアメリカではその傾向はやっぱり強いのだろうなぁと思っていましたけども、ドイツやイギリスでも高いのはちょっと意外ではあります。ケインズ先生の有名な予言に「2030年のイギリスは経済的にずっと豊かになり、働く時間はずっと減るだろう」というものがあるわけですけども、まぁ結果的に見れば前半部分はともかくとして、しかし後半部分はまったく外れているわけですよね。現代の私たちは、豊かになったものの、しかしだからといって「働く時間」を減らそうとはしはなかった。


このお話って単純に「あるだけ使う人たち」というだけでなくて、出来る限り「(少なくとも物質的に)豊かな生活」を選択する人たち、そしてその為には一生懸命働くことを厭わない人たちたちがいることの証左でもあるんじゃないかと。