現代日本版『ドン・キホーテ』

原発物語を読みすぎた為に現実と物語の区別がつかなくなった彼は、世の不正を正す為にとドローンを伴い旅に出た。


男が出頭 「反原発訴えるため官邸に飛ばした」 NHKニュース
なんというか、話題となっているブログを見るとひたすら悲しくなるお話だよねぇと。無関心というテロリストへのそこそこ正しい対抗手段 - maukitiの日記以前の日記でも少し書いたように、やっぱり特定意図を持って行動するテロリストな人たちに対して「(訴求すべき)社会が彼らの存在をそもそも気にもしない」というのは――もちろん更なる過激化リスクもあるものの――それなりに適切な態度でもあるわけで。その行為を嘲笑する事は、ただの拒否よりもずっと彼らの存在・思想を徹底的に相手にしていないことを意味しているから。その意味で今回のドローン騒動が証明したのは、まさに彼自身がブログでも言及している『イスラム国』を相手にするようなレベルで、関心の薄い日本社会と危機感のない日本政府は彼の全身全霊をほとんど相手にもせずただただ哂っただけ。
おそらく、彼はほんとうに必死の想いで手を差し伸べようとした。しかしその手は拒否さえされなかった。狂人として切り捨てられた。
これってホント、ただ拒否されるよりも、ずっと冷酷で容赦のない応対ですよね。
まさにこの構図こそが、彼のブログを見ていて悲しくなる理由なのでしょうね。実際やっていることはかなり際どいものの、しかしそれ以上に、どこか悲喜劇のような道化じみた様子を想起してしまう。


有名革命家の台詞をそらんじるまでに愛し、それを自分を取り巻くすべてに置き換えてはトラブルを巻き起こす。

一体、本当の狂気とは何か?
夢におぼれて現実を見ないのも狂気かもしれぬ。現実のみを追って夢を持たないのも狂気かもしれぬ。
だが、一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生に、ただ折り合いをつけてしまって、あるべき姿のために戦わないことだ。

そんなライオンの騎士アロンソ・キハーダの地平に到ってしまった彼。
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チェ・ゲバラパトレイバーや反原発物語だけではなく、『ドン・キホーテ』なんかを彼が読んでいればもう少し結末は変わっていた、かもしれない。


みなさんはいかがお考えでしょうか?