そしてギリシャは今日もケフィに生きていく

ギリシャはユーロを変えられなかったし、ユーロはギリシャを変えられなかった。


ギリシャ、IMFに債務返済できず 先進国で初 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
ということでギリシャさんちはついにゴールしてしまったそうで。ギリシャ「もう、ゴールしてもいいよね」、ユーロ「あかん」な様式美押し問答がついに終わった感。

【7月1日 AFP】国際通貨基金International Monetary FundIMF)は、ギリシャの15億ユーロ(約2000億円)の債務が6月30日の期限までに返済されなかったと発表した。先進国がIMFに債務を返済できなかったのは初めて。

IMFジェリー・ライス(Gerry Rice)報道官はギリシャの債務が期限までに返済されなかったことを明らかにし、「われわれはギリシャが延滞になったことをIMF理事会に報告した。延滞が解消されない限りギリシャIMFから新たに融資を受け取ることはない」と述べた。

 再び金融支援を受けるための欧州連合EU)との最後の交渉に失敗したギリシャは、土壇場になってグリニッジ標準時6月30日午後10時(日本時間7月1日午前7時)とされていた返済期限の延長をIMFに要請したが、ライス報道官は、IMF理事会はまだこの提案について決定を下しておらず、追って検討すると述べた。(c)AFP

ギリシャ、IMFに債務返済できず 先進国で初 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

前回の危機の時はほぼ所謂ゼロデイアタックな状態だったものの、今では「想定された」危機でもあり随分と対応策も練られていて、思ったより粛々と事態が進行していますよね。散々ヤバイヤバイ詐欺やってきたのでもう皆手慣れたものです。


まぁやっぱりこうしてオチのようなものを見るとギリシャは(これまで続いてきたギリシャ的メンタリティの)変化を拒否した、というお話になるのだろうなぁと。是非はともかくとして、ドイツなんかが不況期に国民全体で耐え難きを耐え忍び難きを忍んで合理化を進めることで経済を徐々に復活させてきた一方で、ギリシャをはじめイタリアやスペインポルトガルなんかは「通貨切り下げ」こそがこれまでの通常の危機回避策でもあったわけで。
――で、彼らが一つになった時問題になるのは、一体どちらの手法を採るべきなのか。
まさに今やっている押し問答ってその構図が始めから今に至るまでまぁずっと続いているお話でもあるんですよね。今ギリシャに押し付けられているドイツ流緊縮策が批判されていますけども、実際2000年代前半にはドイツの不況期で、「そのやり方で」彼らは危機を乗り切ったわけですよ。そして今の好況につながっている。ついでにあの2005年頃のドイツも同じく彼らのユーロ離脱を本気で心配されてもいたわけで。
ともあれ、来たる7月5日、再び彼らはヨーロッパの端っこでギリシャ伝統のメンタリティとしてある「ケフィ(陽気に・楽天的に・自分らしく)」なメンタリティのまま生きていくことを再び誓い、その意思を世界に向け高らかに謳おうとしている。


今回のギリシャ騒動は、結局ユーロ内にあるそんな溝を2015年になっても尚埋めることができなかったよね、というお話かなぁと。
がんばれギリシャ