オバマがその栄誉を得ながら、トランプがそれを得られない理由があるだろうか?

相手を交渉につかせるための、さえたやりかた。


北朝鮮高官:元米当局者らと接触へ 核問題巡り - 毎日新聞
北朝鮮の石炭輸出、200分の1に激減 中国が購入停止:朝日新聞デジタル
ということで「圧力」の効果は、実際上の意味はともかくとして、少なくとも出てはいるそうで。いやぁさすがのトランプさんですよね。改めて考えてみると、発端となったアメリカ=トランプさんの威嚇って、まぁ正しく『核なき世界』の続きにも見えたりするなぁと。実際、こうしてあの中国すら動かしているわけだし。少なくとも口だけで『核なき世界』を言っている人たちよりはずっと、核を無くそうと実際に努力している。
オバマさんがそれでノーベル平和賞を貰ったのだから、これでトランプさんが貰えないなんてことがあるだろうか?(修辞疑問)



もちろんこのまま『核なき世界』なんてモノが成功する見込みはあまり高くないでしょう。しかし、それでも、オバマさん時代とは違って今回の件がそれなりに進捗があるように見えるのは結局のところアメリカが「本気で」圧力を掛けたからに他ならないわけで。軍事的圧力という身も蓋もない現実によって。でもこれって単純に軍事的圧力というだけにとどまらない、それこそガンジーさんやキング牧師のような非暴力路線でも言われる、ある種の普遍の真理ではあるんですよね。
つまるところ、誠実な対応をしない相手を本気で対話テーブルに着かせたいのならば、相手が無視できないような圧力を掛けていくしかない。
これは国際関係のようなマクロな構図だけでなく、『政府』に不満を持つ人たちや、あるいは個人間のようなミクロのような構図にも通じる大原則でもあります。いざという時の交渉の際に武器となるもの。それが無ければ相手が真面目に自分の話を聞いてくれるなんて都合のいい話があるだろうか?
まぁそれをやろうとして大総力戦に突っ込み抜けられなくなってしまったマヌケな国もあるんですけど。


一方で、まさに北朝鮮の側もむしろ上記原則が解っているからこそ『核兵器』を欲しているわけで。それさえあれば我々を真っ当なプレイヤーとして認めるに違いない。どちらも「(自分にとって都合の良い形での)誠実な対話」を望んでいるだけ。マウントを取り合う両者。不毛な構図と言えばこれ以上ないほど不毛な話。ただこれもやっぱ個人間の諍いですら見られる構図でもあって、これが人間のサガか感。
核兵器を無くそうと(対話のために)圧力を掛ければ掛けるほど、その対話圧力を跳ね返そうと益々核兵器にこだわるようになる。
いやぁ『核なき世界』がその高潔な理念とは裏腹にいつまでたっても実現しない理由が、悲しいかなよく解ってしまう現実政治としての北朝鮮情勢ではありますよね。誰か頭のいい人がこの膠着状態を打破してくれないものか。


『核なき世界』を望むにあたって、少なくともそんな銀の弾丸が見いだせないうちは、
がんばれトランプ。