汚れた国際機関の先に見えるもの

権威を乗っ取ろうとする中国と、権威に背を向けるアメリカ。


IMF「不適切との証明はできず」 世銀の不正操作問題に幕引き図る:朝日新聞デジタル
中国めぐる不正疑惑「世銀の問題」 続投に理解求める―IMFトップ:時事ドットコム
少し前に話題になっていた世界銀行のランキング不正のオチがついたそうで。

【ワシントン時事】国際通貨基金IMF)のゲオルギエワ専務理事は13日の記者会見で、世界銀行の報告書で中国のランキングが不正に引き上げられたとされる問題をめぐり、世銀幹部だった自身の関与が疑われていることについて「IMFではなく世銀の問題だ」と述べた。IMF理事会が決定した専務理事職の続投に理解を求めた。

中国めぐる不正疑惑「世銀の問題」 続投に理解求める―IMFトップ:時事ドットコム

……うん、まぁ、そうねえ。思ったより大物が出てきた上にIMFに飛び火して、一体どうなるのかとwktkしていたんですが割と微妙というか穏当な結論に。


世界銀行 中国に配慮 国別ランキングを不正操作 調査結果公表 | 中国 | NHKニュース
まぁ本題としては、ミクロな個人の不正や汚職という構図を超えた「国際機関の信頼性」というマクロな問題こそ本丸であるので、個人を徹底的に洗っても意味はなく故にひっそり幕引きが図られたということなのでしょう。
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コロナに伴うWHOのゴタゴタに関しても散々に日記ネタにしてきましたけども、案の定というかまぁWHOだってそうなんだから、それと同じかそれ以上に重要な経済面でやっていないはずがないよね、ということが改めて広くニュースになったというは、やっぱり現代世界を象徴するニュースだとは思います。
中国のやっていることという意味でもそうだし、
そしてそれに逆らえない国際機関という意味でも。


ここで地味に面白いと思ったのは、トランプ政権時代にあった「国際機関や条約からの離脱」をチラつかせ実際にそうしようとしたトランプ戦術の暴走が、皮肉にも結果としてアメリカのある種の誠実さを逆証明していることだとおもうんですよね。
彼らは今回の中国の様に自身に都合の良い結果を出力させようとするのではなく、だったらむしろ離脱を選ぶ。
「あの」トランプ政権ですらそうするアメリカ。
――もちろんそうした内部での圧力を掛けても、結局はその圧力自体がメディアにリークされてダメージを受けかねないという冷厳な計算によるんでしょうけど。
逆説的にそうしたリークの危険性を解っていないのか、それとも気にしていないのかこうした堂々(?)と内部圧力を掛けようとする中国の、それぞれの超大国の国際機関や条約への振る舞いの違いについて。



一見、横暴な超大国という点では似たような両国ではあるものの、それぞれの国際機関への態度から、両国が世界への関わり=世界観についての本音がうっすら透けて見えるすごい面白いニュースじゃないかと。
その権威をハックしフリーライドしようとする中国と、
そんな権威などもう知ったことではないと背を向け離脱しようとするアメリカ。


いやあ、この先両国の対立は一体世界をどのように変えていくのでしょうね。
みなさんはいかがお考えでしょうか?