無能や邪悪な国際機関のトップがくると思い出す、彼の顔

『(自国第一主義者たちの)諸国民の春』 - maukitiの日記に続いて三か月ぶり二度目。
コロナに続いてオリンピックでも国際機関の名声が地に落ちるとは。
やっぱトランプって現代民主主義政治を体現していたのでは?



米紙「日本政府は損切りし、IOCには『略奪するつもりならよそでやれ』と言うべきだ」 | クーリエ・ジャポン
ということで本邦でも「ボッタクリ男爵」で割とバズったWPさんちのありがたいお話の邦訳であります。

フォン・ボッタクリ男爵、別名トーマス・バッハIOC会長とそのお供の者たちには悪癖がある。それは自分たちをもてなすホストに大散財をさせることだ。まるで王族が地方にお出ましになったとき、そこの小麦が食べ尽くされ、あとに残るのが刈り株だけになるときのような話だ。

日本国民の72%が、このパンデミックの真っ只中に国外から1万5000人のアスリートや五輪関係者をもてなすのは嫌であり、乗り気になれないと言っているのだ。それなのに五輪マスト・ゴー・オンと横柄に言い張れるIOCの神経はいったいどうなっているのか。

その答えは、IOCの権力の源泉であるオリンピックの開催都市契約にある。これはIOCがいかに高圧的な組織であり、なぜ五輪開催都市が深刻な負債を抱えることになるのかを明らかにする文書である。

米紙「日本政府は損切りし、IOCには『略奪するつもりならよそでやれ』と言うべきだ」 | クーリエ・ジャポン

まぁやっぱりぐうの音も出ない正論だよね。
オリンピックの是非自体はそこまで興味ないものの、ここで個人的に興味深いというか面白い展開になりそうだと思うのは「これでまた国際機関への信頼性が地に落ちそうでwktkするなあ」という構図でもあるんですよね。
WHOのテドロスさんの『忖度』で大きな不信感トレンドを生んだそれが、次はIOCまで。
やっぱり民主的な説明責任をもたない国際機関ってクソ! 国際機関の腐敗と不公正さに怒るなんてコレ書いた人はトランプ支持者かもしれない。
だからこの問題って単純に日本の現政権の進退を越えた、深刻な国際問題を提起しているんじゃないかと。


実際、この構図って国際関係において現代でも主権国家こそが主要プレイヤーであり続けていることの理由そのものでもあります。
上手くいっているときには国際機関の言うことを黙って聞いていればいいんですよ。
でも人間がやる以上何もかも全てが上手くいくわけでは絶対にないし、今回も見られるように「意見が分かれる」ことだって多々あるわけでしょう。
――その時、国際機関は一体どれだけ私たち個人のことを考えてくれるの? という国際関係における究極の問題の一つがここにある。
つまるところ、国際機関というのは私たち自身が選んだ政府と違って、究極的にはミクロな私たちには何の責任も負っていない、という身も蓋もない事実があるんですよね。そしてこの問題は今も未解決である。
国際機関や条約というのは契約によって我々の主権を侵害し、ミクロな我々を食い物にしている(こともある)のだ! 
うーん、トランプ前大統領かな???


有権者である私たちは、今回の件で菅政権に選挙によってある程度の責任を取らせることができるわけでしょう。そうやって政治運動している人たちは今の本邦にはいっぱい居ますよね。
でもその一方で、前述のWHOや、今回の件での責任の半分位はあるだろう『国際オリンピック委員会』にはそうはできない。私たち日本人が痛感しているように、まぁまったくの無力である。
まさにこの不公正な関係性こそが、国家は時代遅れであり国際機関や国際条約によって世界全体の問題に取り組んでいくべきだ、という本邦にも少なくないリベラルな「グローバル・コスモポリタン」な人たちの存在とは裏腹に、未だに主権国家こそが世界の主要プレイヤーであり続けている理由でもある。


例えば「世界全体の対応が必要な」気候温暖化やコロナ対策なんかで、このような失態を見せられた時、我々の怒りの矛先はどこに向ければいいのだろうか?
自分たちの政府にその怒りを向けた時、国際機関との契約があるから無理です、なんて言われたら?
そのような事態に陥るくらいなら、これまで通り自分たちの国家主権にしがみついていた方がずっとマシだよね。
そうやって少なくない我々はトランプ支持者と同じ顔をすることになる。
国際機関なんて信用するべきではない、なんて。


だからこのIOC問題って、WHOのコロナ対応に不満を持っていた構図、あるいはグレタさんが怒る気候変動対策が足踏みする理由、なんかとほとんどそのまま地続きでもあるんですよ。
国際機関への(『腐敗』という)目に見えぬ侵略 - maukitiの日記
グレタさんとは違い、「大人な」私たちが避けては通れない難題 その1 - maukitiの日記
子供のグレタさんは別にそんなこと考えなくてもいい。
しかし、大人である私たちは、もしこの『IOCと同じレベルで邪悪』な国際機関に国家主権の一部を手放せと言われたらどうするべきなのか、という難題を避けては通れない。


一体どうすれば、IOCなどの国際機関に「民主的な説明責任」を果たさせることができるだろうか?
この問題を解決できていないことこそ、私たちがいつまで経っても実効的な国際機関を生み出せない根本的な理由の一つでもある。
かくして今でも主権国家にしがみつく私たち。
かつてトランプが言っていたような「国際機関への不信感」なトレンドが、日本国内でもまた一段進んでしまった感。
自国第一主義者たちは、テドロスに引き続きバッハにも感謝だな!



みなさんはいかがお考えでしょうか?